2001 Fiscal Year Annual Research Report
子ども中心主義の教育思想と優生学との関連性に関する比較教育史的研究
Project/Area Number |
13710163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岡部 美香 愛媛大学, 教育学部, 講師 (80294776)
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Keywords | 新教育 / 大正自由教育 / ドイツ新教育 / 優生学 / 子ども中心主義 / 比較教育史 / 教育思想史 |
Research Abstract |
本研究課題が、平成13年度科学研究費補助金の追加採択分として交付の内定を通知されたのが、平成13年10月26日であり、補助金が受入されたのが、平成13年12月12日であった。したがって、ここでは、平成13年11月から平成14年3月までの経過と今後の展開に関する計画について、交付申請書に記した2つの課題に即しつつ報告することにしたい。 ○課題1 日本の新教育(大正自由教育)における子ども中心主義の教育思想と優生学との関連性に関する解明 平成13年12月2日〜9日にかけて関東方面の図書館・大学附属図書館を、また、平成14年2月22日〜24日にかけて関西方面の大学附属図書館を訪れ、関連文献を収集した。現在は、これらの文献に記された、平塚らいてうをはじめとする大正期の教育家、女性解放運動家の思想を手がかりに、「子どもをつくる」という(優生学的な)発想が導入されたことによって、子どもの産育をめぐる思想がいかに変容したかを考察している。この考察結果は、来年度に開催される学会で発表するとともに、学会誌に投稿および大学紀要に掲載する予定である。 ○課題2 来年度の課題(ドイツの新教育思想と優生学との関連性に関する解明)への準備 平成14年1月30日〜2月15日にかけてドイツ連邦を訪れ、ポツダム大学のM.S.Baader氏によるレビューを通して本研究の内容および方法に検討を加えるとともに、ベルリンの教育史研究所などで関連文献の収集を行った。現在、ドィツでも新教育思想と優生学との関連性に関する研究が注目されつつあり、したがって、今後は、ドイツにおける先行研究を来年度中に雑誌論文(研究ノート)としてまとめるとともに、ドイツの新教育思想と優生学との関連性について具体的に考察を進め、学会誌あるいは大学紀要に発表する予定である。
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