2001 Fiscal Year Annual Research Report
地方公立義務教育学校の「通学区域の弾力化」政策の決定・実施過程に関する調査研究
Project/Area Number |
13710175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
武者 一弘 名城大学, 教職課程部, 講師 (50319315)
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Keywords | 通学区域 / 学校選択 / 地域 / 就学校指定 / 学校統廃合 / 教育改革 / 地方教育行政 |
Research Abstract |
初年度である平成13年度は、先行研究等を踏まえて、三重県及び紀宝町、岐阜県及び穂積町、大垣市、各務原市を主たる調査対象として選定し、公立義務教育学校の「通学校域の弾力化」政策の決定・実施の責任者等に対する聞き取り調査と資料収集を中心に研究を進めた。他方では、本研究の調査対象の特質を把握するため、「通学区域の弾力化」の実施を検討・決定あるいは既に実施している八つの自治体の政策・実務の責任者等に対する聞き取り調査と資料収集を行った。今年度の研究によって得られた主な知見は、次のとおりである。1,三重県と岐阜県は県レベルの教育改革プランをもつが、県の教育改革プランと市町村の「通学区域の弾力化」政策の関係は両県で相当な相違がある(岐阜県は県のリーダシップが強い)。2,「通学区域の弾力化」が広く「まちづくり」や行政改革の一貫として進められている自治体と、教育政策の枠内において進められている自治体がある。3,住民は「通学区域の弾力化」政策に複雑な思いを持ちながらも、全体的にはこれを支持している。この「複雑さ」や「全体的な支持」の背景には、住民が多面的な性格を有していることに由来している(自給自足的居住者性、消費文化的生活者性、市町村民性など)。4,大都市部と違い、地方における「通学区域の弾力化」政策は戦後の市町村合併や地域開発への対応という意味合いをもっている。 なお、本年度の研究成果の発信としては、研究成果の一部を日本教育政策学会(7月1日)、日本教育行政学会(11月3日)、東海教育経営懇談会(10月18日)などで口頭発表した。論文としては、『名城大学教職課程部紀要』第34巻(平成14年3月)に寄稿した。また、静岡県教育委員会主催の「教育ふれあいフォーラム」(11月12日)に参加し、情報交換・意見交流をはかった。
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