2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13710243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白井 純 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (20312324)
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Keywords | 落葉集 / JIS漢字 / 字体・字形 / 電子テキスト / 画像データベース処理 |
Research Abstract |
本研究は、中世末期から近世初期にかけての古辞書に掲出される漢字が、現代のJIS漢字によってどれだけ符号化が可能なのかを検証することを目的とする。 本年度は、古辞書としてキリシタン版『落葉集』を取り上げ、中世末期の実用的な辞書に掲出される漢字について調査した。この調査は『落葉集』本文を電子テキスト化し、これに計算機上で処理を行うことによって進められており、比較的電子化の容易な資料を用いたことで、今後の研究に向けての技術的な問題点の把握とその克服をも目的としている。その成果は以下のとおりである。 1.『落葉集』本文を電子テキスト化した。 2.プログラム言語Perlを用いて『落葉集』掲出漢字の単漢字総索引を作成した。 3.『落葉集』掲出文字種の内容調査を行い、併せてこれがJIS漢字によってどれだけ包摂可能かを検討した。 4.異字体・異字形の掲出方法についての検討を行い、『落葉集』編集段階に於ける方針について検討した。 以上の成果によって、中世末期から近世初期にかけての古辞書とJIS漢字とを比較する方法が確立されたので、今後の調査に大きく資するものと考えられる。
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[Publications] 白井 純: "キリシタン文献の上位待遇表現について-版本サントスの御作業を中心として-"北海道大学文学研究科紀要. 104号. 151-166 (2001)
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[Publications] 白井 純: "助詞ヨリ/カラの主格標示用法について-キリシタン文献を中心として-"国語学. 52-3. 1-14 (2001)
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[Publications] 白井 純: "落葉集の掲出文字種について-JIS漢字との比較を含めて-"国語国文研究. 120号(校正中). (2002)
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[Publications] 白井 純: "キリシタン文献における字体・字形の認識について-落葉集を例として-"古辞書とJIS漢字. 5号(校正中). (2002)