2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13710262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Yonezawa women's junior college |
Principal Investigator |
佐々木 紀一 山形県立米沢女子短期大学, 助教授 (40289773)
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Keywords | 年代記 / 皇代暦 / 平家物語 |
Research Abstract |
鎌倉時代成立と推定される『皇代暦』を中心に、中世年代記の整理と成立の研究を行った。 本年の成果として、 1 同本の現存本の祖本と推定される、京都大学博物館蔵本の書誌的調査を行ひ、法量・紙背文書の有無の基木的情報を得た。裏打のため、判読に苦しむが、巻一から四までが、甲・乙の二筆で、紙背文書の性格から、南北朝の甘露寺家関係者の手になり、巻五の前半が丙、後半が丁で、筆跡から、甘露寺親長の筆であることを確認した。 2 諸図書館蔵(宮内庁・内閣文庫・国会・国文学研究資料館・東大・京大・名古屋大・蓬左文庫・岩瀬文庫・鹿児島大)の『皇代暦』の書誠的調査を行ひ、法量・紙背文書・筆者年代の有無の基本的情報を得、伝本関係を研究した。整理は現在も続行中である。 3 『皇代暦』の成立研究として、(1)関係中世年代記(『歴代至要抄』・『一代要記』・『皇帝紀抄』)との関係を研究し、『歴代至要抄』・『一代要記』には遡り、『皇帝紀抄』とは密接な関係を有する事を推定した。 (2)関係中世記録類(『親長卿記』・『公卿補任』)との関係を調査し、『皇代暦』巻五が『親長卿記』を使用して居る事を明らかにした。 (3)『平家物語』との関係を研究し、現存本よりも古い形態を有する事を明らかにし、物語と密接な関係を有する事を発表した。 4 諸図書館蔵の中世年代記の書誌的調査として、 (1)『王年代記』・『神明鏡』の成立を調査・発表し、前者の成立研究として、『改暦雑事記』・四部本『平家物語』との関係は、発表した。『予章記』・『河野氏系図』との関係は調査中で、『曽我物語』・『平家打書』・『平家族伝抄』・『神道集』との関係は、現在成稿中てある。 (2)その他の年代記(『年号次第』・『和漢春秋暦』・『王代年代配合抄』・『帝王編年記』等)の成立について、調査し、順次発表する予定である。 以上が本年度の成果であり、次年度も継続予定である。
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Research Products
(2 results)