2001 Fiscal Year Annual Research Report
ベル・エポック期パリの女流詩壇におけるジャポニスムの諸相
Project/Area Number |
13710289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中島 淑恵 富山大学, 人文学部, 助教授 (20293277)
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Keywords | フランス / 文学 / 女流詩人 / ベル・エポック / ジヤポニスム |
Research Abstract |
今年度は、19世紀末から20世紀初頭におけるフランスの女流詩人の作品にっいて、異郷に対する憧憬の一典型とも言えるジャポニスムに焦点を絞って調査・分析を行った。具体的には、1.補助金により購入した携帯用パーソナルコンピュータおよびOCRソフトによって、当該の時期にフランス語で出版された女流詩人の作品のデータベース化を進めている。その資料体については、入手可能なものを関係図書として購入し、それ以外のものはフランス国立図書館等において閲覧、確認を行なった。また、ジャポニスム・異郷憧憬に関連する箇所についてマーキングを行い、語彙集を作成、次年度の研究のための基盤作りを進めている。2.書簡や手稿については、フランス国立図書館等において閲覧を行い、電子文書化を進めている。3.当該の時期に出版されたパリを中心とした雑誌や新聞についても、インターネットおよびパリ国立図書館等において調査を行い、発表された女流詩人の作品および評論等の関連文献について電子文書化を進めている。4.インターネット、関連図書の購入およびフランス国立図書館等における閲覧によって、当該の時期の女流詩人に関する研究文献を収集し、文献リストを作成するとともに、内容の検討を進めている。5.勤務校図書館「へるん文庫」所蔵の文献調査を行い、ラフカディオ・ハーンがフランスの雑誌に投稿した日本紹介の記事等について、リストアップし、データベース化を行なっている。6.ハーン以外の日本を紹介する文献や記事について、おもに英仏の新聞・雑誌についても調査を行なっている。以上の作業から、当該の時代の女流詩人の作品では、とくにその植物をめぐる表象において東洋趣味が多く現れている傾向が顕著であることが判明しつつあるが、どのような影響関係によってそれが可能となったのかについては、資料体のさらに綿密な分析を行なう予定である次年度の研究によって明らかにしたい。
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