2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13720027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森田 果 東北大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (40292817)
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Keywords | 会社法 / 株主間契約 / 閉鎖会社 / ヴェンチャー・ビジネス / ヴェンチャー・キャピタル / 関係的契約 / ドイツ:フランス:アメリカ |
Research Abstract |
本研究の目的は,交付申請書に記載した「研究目的」にあるように,これまで検討が十分になされてこなかった株主間契約について,比較法的・機能的研究を通じて,その法規整のあり方を探ることにある。 まず,比較法的研究については,ドイツおよぴフランスにおける株主間契約の法規整のあり方について,戦前からの変遷をたどった。そして次のような知見を得た。(1)株主間契約の規整は株主間契約の利用をめ.ぐ,る社会的・経済的背畏に強く影響されており,ドグマティツシュな命題は株主間契約の重要性の認識の普及につれ後退している,(2)株主間契約の有効性・効力などの論点は相互に関連している,(3)株主間契約の法規整のあり方は株主間契約の利用動機にも影響されている,(4)株主間契約の利用主体には「プロ」と一般人とがあり,両者で法規整を違えることには一定の合理性があり得る,(5)ドイツ・フランスにおいて主張されていた株主間契約の公開という議論はいずれも普遍性を持つとは言いがたい。 他方,法と経済学の面(機能的考察)については,株主間契約の当事者を,その知識・資源・能力に応じて,複数のクラスに分類し,それぞれについてどのような行動が期待できるかを検討する,という方向で検討を進めた。この研究手法については,当該手法の盛んな米国における研究を参照するとともに,わが国の経済学研究者との交流を通じてその習得を図った。 そして,以上のような中間的成果について,2001年10月の私法学会において報告し,他の研究者からのさまざまな示唆を得ることができた。その報告内容は,後掲した『私法』64号に掲載される予定である。
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Research Products
(1 results)