2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13720048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川出 敏裕 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (80214592)
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Keywords | 国際刑事法 / 国際刑法 / 国際司法共助 / 犯罪人引渡し / 外国判決の効力 |
Research Abstract |
研究機関の初年度にあたる本年度は、主として、国際刑事法に関する基礎的な研究を行うことを目的とした。具体的には、内外の文献の購読とともに、大学院において、「犯罪の国際化と刑事法」と題する演習を開講し、国際刑事法の基本的問題を網羅的に取り上げて検討を行った。そこで取り上げたテーマは、(1)刑法の場所的適用範囲、(2)国際犯罪の概念、(3)犯罪人引渡し、(3)証拠の収集および提供に関する司法共助、(4)外国裁判の効力(受刑者移送条約)、(5)国際組織犯罪条約、(6)サイバー犯罪条約、(7)国際刑事裁判所、(8)ヨーロッパにおける刑事法の統一、である。演習では、国際刑事法に造詣の深い実務家、研究者を招いての講演も行った。これを通じて、国際刑事法に関わる基礎的な知識を獲得するとともに、最新の動きもある程度フォローできたのではないかと思う。 また、個別の分野としては、コンピュータ犯罪に関して、欧州評議会によって、サイバー犯罪条約が採択され、わが国もそれに署名するという動きがあった。法務省では、これを受けて、具体的な立法作業が進んでいるようである。これは、国際条約が国内立法に影響を及ぼす具体例を検討する格好の題材であるうえ、筆者の専門である刑事訴訟法と密接に関係するものであるので、その観点から、現行の刑事手続の解釈論をふまえた検討を行った。雑誌論文として公表した「コンピュータ犯罪と刑事手続」は、その成果の一部である。
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Research Products
(1 results)