2001 Fiscal Year Annual Research Report
浜松地域のオートバイ産業における企業集積プロセスと起業家ネットワークの分析
Project/Area Number |
13730094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shobi University |
Principal Investigator |
稲垣 京輔 尚美学園大学, 総合政策学部, 講師 (10327140)
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Keywords | 企業間関係 / サプライヤー / 企業家活動 / 企業家ネットワーク / 産業集積 / オートバイ産業 / 境界連結者 / キャリアパス |
Research Abstract |
今年度は、文献による調査が主体となった。浜松のオートバイ産業を事例にしながらも、産業集積の初期段階におけるスタープレイヤーの役割が大きいことに注目し、そのような人物が企業家としての模範的なキャリアパスを構築する先駆けとなっていることを明らかにした。実際の現地における聞き取り調査については、調査対象や調査内容を吟味して十分に精査した上で14年度に実施する予定でいる。 このコンセプトに基づいて研究要旨をまとめた上で、EGOS(欧州組織学会)に応募したところ、2002年バルセロナで開催される国際年次大会での報告を受理された。現在、発表に向けてフルペーパーを作成・準備中である。さらに、平成14年度前半には企業間の具体的な取引関係についての調査を進め、これらの結果を同年度内に国内外の学会で報告する予定である。 戦後の日本におけるオートバイ産業の集積は、昭和20年代後半に集中し、京浜地区、浜松地区、中京地区、関西地区に同時進行的にみられ、その中で浜松地域の特殊性について明らかにしている。浜松における本田宗一郎の企業家としての役割は予想以上に大きく、初期の本田技研工業の革新的なマネジメントスタイルが地域内部における別の企業家に対して与えた心理的影響力や、サプライヤーとの取引関係の構築などに表われ、結果的に浜松に数々の変化をもたらす源泉となりえたと予想される。また、鈴木やヤマハなどの競合に関しても、相互の地理的近接性がもたらす要因が、大きく作用しているはずであり、今後の研究課題となっている。
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