2001 Fiscal Year Annual Research Report
中国の市場経済化と企業家精神・管理技法との連関に関する研究
Project/Area Number |
13730096
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高久保 豊 日本大学, 商学部, 助教授 (20246804)
|
Keywords | 中国 / 経営学 / 社会主義市場経済 / 民営企業 / 企業家精神 / 管理思想 / 管理技法 / 三要素せめぎあい構造 |
Research Abstract |
現在の中国では、社会主義市場経済の下にあって、郷鎮企業をはじめとする自営業者・私営企業やハイテク・ベンチャーの急成長などに見られるように、新しい企業家たちが陸続と輩出されつつある。本研究の目的は、中国におけるこうした新しい企業家の出現をめぐって、(1)その社会・経済的背景、(2)企業家精神と管理技法の内容、(3)持続的発展の可能性の相互連関を踏まえつつ、どのようなタイプの企業家が生まれ、彼らはどのようなエートスを持ち合わせ、またどのような経営手法で企業成長を果たしてきたのかについて、基本的な解明を試みることにある。 平成13年度においては、文献研究と現地企業の聴き取りを踏まえて「中国の民営経済化と中国経営学への展望」と題する成果論文をまとめた。この論文では、(1)中国で最近しばしば取り上げられる民営概念はいかなる社会・経済的背景の下で提唱されるようになったのか、(2)山東省と江蘇省の民営企業を事例にその発展経緯と管理技法にはいかなる特徴が見られるのか、(3)今後民営企業はどのような発展展望を持ちえるのか、という点を中心にして考察を行った。 このなかで、民営企業家のエートスを解明するための分析用具を設定するべく、中国企業において特徴的に見られる特殊な組織原理に着目し、これを「ユートピア動機」、「現実志向の動機」、「進取改革の動機」によって形成される「三要素せめぎあい構造」として規定したことが、この論文の大きな特徴となっている。平成14年度においては、この枠組みの妥当性をさらに検討しつつ、より具体的に企業家精神と管理技法との関連についての研究を進めていきたい。
|
Research Products
(1 results)