2001 Fiscal Year Annual Research Report
確率過程の極限定理の確率Besov空間におけるwavelet解析
Project/Area Number |
13740059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
川崎 秀二 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手 (10282922)
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Keywords | 確率過程 / 中心極限定理 / Besov空間 / wavelet解析 / 統計的推測 |
Research Abstract |
今年度は、fractional Brown運動(FBM)および定常過程に対し、wavelet係数ドメインで構成された推定量の中心極限定理(CLT)や、過程とwavelet係数の特徴付け関係について考察した。 CLTについては、過程のwavelet係数の各スケールjを固定したときの非線形汎関数のシフトkに関するサンプル平均を考察し、Breuer&Major(1982)に従いwavelet係数の共分散が短期記憶である(局在性がよい)ことを示すことによりCLTをverifyした。そこでは過程の増分の分散E[{X(_T)-X(O)}^2]がT↓Oのときregularly varyingであるならwaveletのvanishing moment性から短期記憶であることが得られる。また、CLTが成り立つために必要なvanishing moment次数をregularly varying指数を用いた不等式で与えた。FBMについては特に、CLTを応用してHurstパラメータの区間推定について考察し、Hurstパラメータにwavelet係数のサンプル分散に関する連続性を示すことによりそれを与えた。 特徴付け関係については、過程の増分が定常エルゴードであるようなクラスに対し、過程とwavelet係数の間に、非ランダムな関数の解析において知られているBesov関数および数列空間での連続性が成り立つことを示した。このうちのWavelet係数の過程に関する連続性からは、性質が既知の過程のwavelet係数の性質を特徴付けるという順問題がwell-defined性が与えられ、逆に過程のwavelet係数に関する連続性からは、性質が未知の過程のwavelet係数を調べてそれにより元の過程を特徴付けるという逆問題がwell-definedであることが与えられる。現在、このクラスに対してCLTをどのような形で議論できるかということについて考察しているところである。
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