2001 Fiscal Year Annual Research Report
数理ファイナンス、及び関連した確率論・数値解析学の研究
Project/Area Number |
13740064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関根 順 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (50314399)
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Keywords | 数理ファイナンス / 最適化問題 / 確率最適制御 / 凸双対法 / ポートフォリオ最適化 / 優複製問題 / 部分情報 |
Research Abstract |
1.線形ガウス過程をファクターに持つ株価過程モデルを想定し、更に部分情報の設定下で巾乗効用関数最大化問題を解いた。部分情報の設定で凸双対法を応用した点、特に双対問題から、動的プログラミング原理を用いずに直接最適戦略の満たすべき偏微分方程式を導いた点が新しいと思われる。 2.ポートフォリオの売買量に制約が存在する状況下で派生証券の優複製を行う問題を解いた。特に制約の型が現在まであまり研究されていなかった。しかし、実用上は最も重要な「デルタに関する制約」であり、この問題を凸双対法を拡張することで対応した。 更に「バリア型オプション」の優複製問題を「ヨーロピアン型オプション」の問題に帰着させるアイデアを提示した。 3.制限された資本を用いてデリバティブのヘッジ(リスク制御)を行う問題について、最悪のシナリオを想定しつつリスク最小化問題を解く、Min-Max型最適化問題を部分情報の設定下で扱った。確率ゲームの問題がデリバティブのヘッジ問題に表れる希少な例になっていると思われる。
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