2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13740080
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
平場 誠示 東京理科大学, 理工学部, 講師 (30260798)
|
Keywords | 分枝過程 / Fleming-Viot過程 / 超過程 / マルコフ過程 / 安定過程 |
Research Abstract |
人口動態を表す「分枝過程」や突然変異を伴う遺伝子集団の異なる遺伝タイプの出現頻度を表す「Fleming-Viot過程」などの確率過程は「測度値確率過程」と呼ばれ、一般に、時間と共にランダムに変化する、ある対象の集団の広がり具合(分布)を表す。これらについてまだ知られていない新しい性質の発見や、さらに新しいモデルの構成、それらの性質についての研究を目的としてきた。 昨年度の研究で「空間変数に依存した抽出率をもつFleming-Viot過程」と呼ぶべき新しい測度値確率過程の構成に成功していたが、結果としてはまだ不十分で、既に知られている結果に含まれてしまう部分が大きかった。しかし今年度の研究によって、それが少し改善できることに気付き、既存の結果を、ある制限のもとで拡張することに成功した。しかし、まだその制限が取り除けるかという問題が残っている。またこれと関連して、粒子系の個々の運動を表す安定過程と呼ばれる確率過程の研究も進めていて、これに関して、密度関数の遠方での減少の度合いについての結果を一つ得て、11月の統計数理研究所の研究会で発表した。この結果をその上の測度値確率過程に応用することにより、新たな性質の発見につながると期待される。 これらの結果は、与えられた当該研究費を用いて、購入した関連文献、および出張して他の研究者との議論等ができたことによる寄与が大きい。また購入した文房具やコンピューター、ソフトにより、研究環境が充実し、現在、上の結果を論文にまとめる際に、大いに役に立っている。
|