2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13740084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
松田 晴英 九州東海大学, 農学部, 講師 (00333237)
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Keywords | グラフ理論 / 離散数学 / 因子 |
Research Abstract |
グラフの因子問題は、与えられたグラフに対して、ある特定の性質をみたす全域部分グラフを見つけるという問題である。全域部分グラフとは、与えられたグラフのすべての点と一部の辺からなるグラフのことである。本年度は、主に次の3点に関する研究を行った。 1.先の研究で導入した新たな因子の有用性、特にこの因子が存在するための簡明な十分条件に関する研究 先の研究において既存の因子を多く含む新たな因子を定義し、グラフがその因子をもつための必要十分条件を得ることができた。しかし、これはかなり複雑な評価式であるため、グラフが所望の因子をもつための簡明な十分条件を求めた。 2.グラフが道因子をもっための十分条件に関する研究 既存の次数因子に対する十分条件については、これまで私も含め、十数年の間に国内外の多くの研究者が多くの結果を出している。しかしながら、成分因子に関しては、特定のグラフに絞ってもその因子が存在するか否かを判定するのは困難であり、これまで、あまり多くの結果は知られていないようである。本研究では、成分因子のひとつである道因子という、各成分が道である成分因子をもつグラフについての研究を行った。その結果、3次グラフには各道の長さが6以上である道因子が存在すること、および、クローフリーグラフには、各道の長さが最小次数+1以上である道因子が存在することを証明した。 3.ハミルトン閉路を含む因子をもっための次数条件に関する研究 ハミルトン閉路とは、グラフのすべての点を一度ずつ通る経路をいい、連結2-因子ともいえる。これは、工学的にも広く応用される概念のひとつである。本研究では、与えられたハミルトン閉路を含む[k, k+1]-因子をもつための次数条件を求めた。
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[Publications] M.Kano, H.Matsuda: "Partial parity (g, f)-factors and subgraphs covering given vertex subsets"Graphs and Combinatorics. 17. 501-509 (2001)
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[Publications] K.Ando, Y.Egawa, A.Kaneko, K.Kawarabayashi, H.Matsuda: "Path factors in claw-free graphs"Discrete Mathematics. 243・1-3. 195-200 (2002)
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[Publications] K.Kawarabayashi, H.Matsuda, Y.Oda, K.Ota: "Path factors in cubic graphs"Journal of Graph Theory. 39・3. 188-193 (2002)
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[Publications] H.Matsuda: "Degree conditions for the existence of [k, k+1]-factors containing a given Hamiltonian cycle"Australasian Journal of Combinatorics. (印刷中).