2001 Fiscal Year Annual Research Report
高次元シュレーディンカ一方程式に対する完全WKB解析
Project/Area Number |
13740096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小池 達也 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80324599)
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Keywords | 完全WKB解析 / 完全最急降下法 |
Research Abstract |
本年度は、偏微分方程式の完全WKB解析を構築する際に必要になると思われる高次元線型常微分方程式に対する完全WKB解析についての考察、特に完全最急降下線について研究を進めた。 一般に3本のStokes曲線が1点で交叉する場合、そのうちの1本のStokes曲線上におけるStokes係数は交叉点の前後で変化する。特にStokes係数が消える現象がしばしば観察される。この現象についての完全最急降下法の観点から説明を試み、一般的にはStokes係数は消えること、消えない時には仮想的変わり点と変わり点の合流による退化が生じていることを見出した(青木氏(近畿大)、竹井氏(京大)との共同研究)。 さらに完全最急降下法の適用範囲を広げる目的から、考えている方程式のLaplace像が高階方程式である場合、単純極型の変わり点を持つ場合、さらに"新しい"変わり点を持つ場合、それぞれについて数値計算に基づく考察を行った。特に方程式のLaplace像が"新しい"変わり点を有する場合には〓点ではないある点を端点とする最急降下線を導入しなければならないことを見出し、その現象の解明に務めた。(竹井氏との共同研究)。 その他、大きいパラメータを含む無限階の線型常微分方程式に対する完全WKB解析について考察し、変わり点の近傍における局所理論の構築、特に変わり点の近傍における方程式の分解定理を有限階の方程式に対する定理と平行する形で証明した。(青木氏、河合氏(京大)、竹井氏との共同研究。) 以上の結果は現在投稿中である。
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