2001 Fiscal Year Annual Research Report
星間ガス雲の形成・散逸過程と分子雲乱流の起源の研究
Project/Area Number |
13740132
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
犬塚 修一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80270453)
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Keywords | 分子雲 / 熱的不安定性 / 乱流 / 輻射冷却 / 流体力学 |
Research Abstract |
既に我々は星間空間の環境との相互作用を考慮した星間ガスの熱的収支の定量的な計算を行う手法を得ている。低密度、低柱密度の場合は、星間紫外光の塵粒子を媒介としての光電加熱が最も主要な加熱源であり、主要な冷却源は、炭素、酸素原子の微細構造準位間遷移の際の輻射である。従って、紫外光の量及び、塵粒子の絶対量・サイズ分布が主なパラメーターとなる。高密度の雲では、宇宙線加熱や一酸化炭素や水の輻射冷却が重要である。従って、輻射源である分子の平衡存在量を使って、熱的・化学的定常状態を計算することができる。この煩雑な熱・化学過程を計算するモジュールをと共に動作する流体計算法を開発した。これにより、さまざまな現実的なガスの動的進化を扱えるようになる。この計算法の発展版を用いて、衝撃波によって圧縮された約1万度の低密度ガスが熱的不安定性により分裂して、乱流状の速度分散を持つ微小分子雲の集団が形成されることを示した。これにより、星間乱流の起源・持続メカニズムが熱不安定性に起因しているということを世界で初めて示した。この内容は、国立天文台データ解析センター研究員小山氏と共著で、米国天文学会誌The Astrophysical Journal Lettersにて題目"An Origin of Supersonic Motions in Interstellar Clouds"(ApJ, Vo. 564, L97-L100)として2002年1月に発表された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 犬塚修一郎: "The Mass Function of Molecular Cloud Cores"The Astrophysical Journal Letters. 559. L179-L182 (2001)
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[Publications] 小山洋, 犬塚修一郎: "An Origin of Supersonic Motions in Interstellar Clouds"The Astrophysical Journal Letters. 564. L97-L100 (2002)
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[Publications] 佐野孝好, 犬塚修一郎: "Saturation and Thermalization of the Magnetorotational Instability : Recurrent channel Flows and Reconnections"The Astrophysical Journal Letters. 561. L178-L182 (2001)
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[Publications] 相川, 大橋, 犬塚, Herbst, 高桑: "Molecular Evolution in Collapsing Prestellar Cores"The Astrophysical Journal. 552. 639-653 (2001)
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[Publications] 今枝佑輔, 犬塚修一郎: "Reformulation of Smoothed Particle Hydrodynamics for Astrophysical Fluid Dynamics"Computational Fluid Dynamics Journal. 9. 316-325 (2001)
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[Publications] 釣部通, 犬塚修一郎: "Collapse of Primordial Clouds and The Formation of a Central Core"Astrophysics & Space Science. 276. 1097-1105 (2001)