2001 Fiscal Year Annual Research Report
X線・ガンマ線観測による高エネルギー天体の放射機構の解明
Project/Area Number |
13740153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
窪 秀利 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40300868)
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Keywords | 活動銀河核 / X線観測 / ガンマ線観測 / 放射機構 |
Research Abstract |
CGRO衛星EGRET検出器を用いてGeVガンマ線領域で検出されたブレーザーの中で、他波長で最も頻繁にモニターされている天体である3C279のGHz電波からGeVガンマ線までの多波長スペクトルおよび放射機構について調べた。その結果分かったことは、ガンマ線強度が大きい時、ガンマ線強度は他の波長に比べて10倍以上大きいこと、波長間の強度変動に明確な時間相関はないこと、多波長スペクトルは電子シンクロトロン放射と外部コンプトン放射の重ね合わせで説明できること、放射スペクトルの変化はジェット中のローレンツ因子の変動と電子のスペクトル分布の変動に起因すること、ガンマ線強度が小さい時の紫外線スペクトルは降着円盤からの放射と一致することが分かった。以上の結果をHartmanらとの共著論文で発表した。 電波で明るく、輝線が狭いクエーサー、PKS0558-504をASCA衛星で観測したところ、X線強度が33分間で2倍変動し、2分間で40%の強度変動が見つかった。これは、0.8keVから10keVの範囲で、dL/dt=1.8×10^<42>ergs/s^2の強度変動を示したことになり、Kerrブラックホールを取り囲む等方的な放射プラズマから予想される値よりも数倍大きい値である。この高い放射効率の起源は、相対論的に加速されているジェットまたは磁場コロナと考えられ、後者の場合、数万ガウス以上の磁場が必要になることが分かった。以上の結果をWangらとの共著論文で発表した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.G.Wang et al.: "A Rapid X-ray Flare in the Radio-loud PKS0558-504 Narrow-Line Quasan"The Astrophysical Journal. 554. 233-239 (2001)
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[Publications] R.C.Hartman et al.: "Multiepoch Multiwavelength Spectra and Models for Blazar 3C279"The Astrophysical Journal. 553. 683-694 (2001)