2002 Fiscal Year Annual Research Report
K2Kファイバー検出器を用いた1GeV領域ニュートリノ・核中性カレント反応の測定
Project/Area Number |
13740168
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
石田 卓 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (70290856)
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Keywords | K2K / ニュートリノ / 原子核 / シンチレーションファイバー / 軸性ベクトル質量 / ニュートリノ振動 |
Research Abstract |
K2K実験は、2001年までの実験データの解析をすすめ、これまでのスーパーカミオカンデの事象数の予想と実際の比較に加え、1リングミュー粒子ライクな事象を用いたニュートリノスペクトル分布を解析した。この事象には、エネルギーの再構成が可能な2体反応である荷電準弾性散乱反応に加え、3体以上でエネルギー再構成が不可能な荷電非弾性散乱反応が混入しているため、この比率を精度よく測定することが重要であった。申請者を中心に行ったK2K前置ファイバー検出器事象の解析等の結果、この準弾性・非弾性散乱比率はモンテカルロに対して、93±20%であることが示された。この数値は振動解析のみならず、ニュートリノ原子核反応断面積測定の見地から重要である。また、同時に解析された生成時のニュートリノフラックスを用いて振動解析を行った結果、ニュートリノ振動は99%以上の確率で起こっているとの結果を得た。この結果は平成14年のニュートリノ2002ワークショップで初めて公表されると同時に、K2K共同実験の論文として米国Physical Review Letters誌に発表された。また申請者は同結果を平成14年秋の日本物理学会分科会及び15年3月開催されたコンファレンス(ラトゥイユ2003)において発表した。 この解析に用いられたファイバー検出器事象の解析から、準弾性散乱反応を特徴付ける軸性ベクトル質量の値が±0.2(GeV/c)^2であることを示し、結果を平成14年12月米国で開催された第二回GeV領域ニュートリノ核相互作用国際会議(NuInt02)および平成15年春の日本物理学会年会で報告した。この観測は水標的に対する最初の軸性ベクトル質量測定であり、今後の水チェレンコフ観測装置を用いたニュートリノ振動実験には特に重要である。現在数値を最終化する作業を進めている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] The K2K collaboration, M.H.Ahn et al.: "Indications of Neutrino Oscillation in a 250 km Long-baseline Experiment"Physical Review Letters. 90. 041801 (2003)
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[Publications] B.J.Kim, T.Ishida et al.: "Tracking Performance of the Scintillating Fiber Detector in the K2K Experiment"Nucl.Instrum.Meth. A. 497. 450-466 (2003)
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[Publications] T.Ishida: "Charged-current inclusive distributions from K2K near detectors"Nuclear Physics B(Proc.Suppl.). 112. 132-139 (2002)
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[Publications] T.Ishida: "The JHF-Kamioka Neutrino Project"in Soryuushiron Kenkyu KEK Preprint 2002-113. (To be appeared). (2003)