2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13740204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井澤 公一 東京大学, 物性研究所, 助手 (90302637)
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Keywords | 異方的超伝導 / 超伝導ギャップ構造 / 熱伝導率 |
Research Abstract |
圧力誘起超伝導体のギャップ構造を調べるため、圧力下における熱伝導率測定をするための装置開発、および熱伝導率の磁場方向依存性の測定を行った。まず、温度計、圧力媒体等を吟味しその評価を行った。その結果、試料の熱伝導率に対し圧力媒体の熱伝導率が無視できないことが判明し、圧力下において熱伝導率測定に必要な条件である断熱状態を得ることが容易ではないことが明らかとなった。しかしながらその一方でゼロ圧ではあるが熱伝導率をプローブとして超伝導ギャップ構造を調べるための実験方法を確立することができた。これまで超伝導ギャップ構造は高温超伝導体でしか明らかにはなっていなかったが、これにより他の異方的超伝導体のギャップ構造の決定が可能となった。具体的には熱伝導率を磁場の方向を変化させたときの熱伝導率の角度依存性より重い電子系超伝導体CeCoIn_5、有機超伝導体κ-(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2、ホウ素炭化物YNi_2B_2C、重い電子系超伝導体PrOs_4Sb_<12>のギャップ構造を明らかにした。特にYNi_2B_2Cのノード構造は、これまで多くの異方的超伝導体でみられていたラインノードではなく、ポイントノードであることを初めて明らかにすることができた。さらに、最近発見された重い電子系PrOs_4Sb_<12>においては超伝導ギャップにポイントノードが存在するだけでなく、少なくとも2つの異なった対称性をもつ超伝導相が存在することを明らかにすることができた。これは複数の超伝導相をもつ超伝導体としては、UPt_3についで2つ目の例である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Koichi Izawa et al.: "Angular Position of Nodes in the Superconducting Gap of Quasi-2D Heavy-Fermion Superconductor CeCoIn_5"Physical Review Letters. 87. 057002-1-057002-4 (2001)
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[Publications] Koichi Izawa et al.: "Superconducting Gap Structure of k-(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2 Probed by Thermal Conductivity Tensor"Physical Review Letters. 88. 027002-1-027002-4 (2002)
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[Publications] Koichi Izawa et al.: "Gap Function with Point Nodes in Borocarbide Superconductor YNi_2B_2C"Physical Review Letters. 89. 137006-1-137006-4
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[Publications] 井澤公一, 松田祐司: "準2次元異方的超伝導体の超伝導ギャツプ構造"固体物理. 37. 235-252 (2002)
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[Publications] Koichi Izawa et al.: "Multiple superconducting phases in new heavy fermion superconductor PrOs_4Sb_<12>"Physical Review Letters. 90. 117001-1-117001-4 (2003)