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2001 Fiscal Year Annual Research Report

ガラス転移点における動的異常の解析

Research Project

Project/Area Number 13740242
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

松井 淳  九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (10274424)

Keywordsガラス転移 / 過冷却液体 / ジャンプ拡散 / 協調再配置領域 / 動的構造因子 / Stokes-Einstein関係
Research Abstract

ガラス転移点近傍の密度揺らぎの時空構造と、通常の液体のものとの差違を明らかにするため、ソフトコア2成分混合系の分子動力学シミュレーションを用いて、動的構造因子を幅広い波数(空間)と振動数(時間)領域で計算している。
(1)計算プログラムの並列化
ガラス転移点付近の緩和時間は数十ナノ秒に及び、非常に長時間の計算が必要となる。並列計算を用いて計算時間を短縮させることは不可欠である。比較的に少ない粒子数からなる系の粒子間相互作用の計算部分に対して有効な「相互作用分割法」を用いることにした。さらに計算アルゴリズムの改良を加え、通常の「相互作用分割法」よりも半分の計算量で済むようにした。
(2)通常の液体状態での動的構造因子の計算
動的構造因子のスペクトル形状は、低波数・低振動数領域が拡散、高波数・高振動数領域が弾道的運動を示し、液体論で一般的な「自由ジャンプモデル」でよく記述できることがわかった。弾道と拡散の境界が、それぞれ平均自由行程、平均自由時間に対応し、それら以外には特別な時間や空間スケールは観測されなかった。
(3)ガラス転移点での動的構造因子の計算
スペクトル形状は液体のものと異なった。低波数・低振動数領域の拡散と高波数・高振動数領域の弾道的運動は敢然に2つに分裂している。この分裂が原因で、Stokes-Einstein関係が破れることを示した。また、高波数領域における拡散スペクトルのピーク振動数が波数に依らない異常な振る舞いを見つけた。
(4)ジャンプ拡散モデルを用いた協調的再配置領域(CRR)の考察
拡散のピーク振動数の異常性を「ジャンプ拡散モデル」を用いて考察し、ガラス転移近傍の過冷却液体中の拡散は、単にジャンプ頻度が減少するだけでなく、ジャンプが一様にランダムではなく、3、4回のジャンプがユニットになって、断続的に起こることを主張した。

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Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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