2001 Fiscal Year Annual Research Report
地球流体核内の小スケール流によって生成されるα効果に関する理論的研究
Project/Area Number |
13740264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 久芳 東京大学, 地震研究所, 助手 (70302619)
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Keywords | 地球流体核 / ダイナモ理論 / 電磁流体力学 / 地球流体力学 |
Research Abstract |
地球流体核内のα効果やその他の平均場効果を考えるための基礎を固めるために、浮力ブロブによって駆動される流れと磁場、およびそれらに付随して現れるヘリシティーと起電力についての詳細な解析を行った。 まず、非常に速く回転していて、磁場が力学的には重要でない場合、つまり、コリオリ力がローレンツ力よりも十分大きいと考えられる場合の流れと磁場を理論的に求めた。これまでは、回転、磁場、重力の方向が特殊なものしか扱ってこなかったが、本年度はそれらを一般化した。回転と重力が同じ方向のとき(極域に対応)、流れはこれまでに知られているような、単純なテイラー柱と同様の流れの構造が求められた。しかし、回転軸と重力が直交するとき(赤道域に対応)、これまでに知られていた流れとは全く異なった、ブロブの中心線上で非常に強いせん断性をもつ流れが求められた。この領域では、流れの長さスケールは非常に小さくなり、単純な浮力から複雑な流れが駆動される。この流れによって誘導される磁場や、ヘリシティー、起電力についても、非常に複雑な空間分布を持つことがわかった。 次に、ローレンツ力が無視できない程度に大きくしたときにどのような流れが駆動されるかを理論的に求めた。回転、磁場、重力の方向に対して、ある程度の自由度をもたせることには成功したが、完全な一般化はまだされていない。ただし、ローレンツ力が完全に無視できる時と比べて、流れがより複雑な分布をすることは求められた。磁場についての解析も進められている。
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