2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13740286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河野 英昭 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (60304721)
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Keywords | 磁気圏サブストーム / 極域磁気圏 / 電離層効果 / 地上磁場観測 / リモートセンシング |
Research Abstract |
磁気圏サブストームは磁気圏におけるエネルギー蓄積・解放過程であり、それに伴って磁気圏の形状は全体にわたり変化する。本研究は、その変形のうち、今まで良く知られていなかった部分を研究する事で、磁気圏におけるエネルギー蓄積・解放過程をより良く理解しようとするものである。 今年度は、POLAR衛星の観測から、極域磁気圏内の磁力線がサブストームに伴いどのように変形するか、について中心的に調べた。そして、1つの観測例について論文1篇を執筆した。その内容は以下の通りである。サブストームの成長相(growth phase)において、極域磁気圏内の磁場強度は増大した。これは、昼間側磁気圏境界面での磁気リコネクションによって昼間側から剥がされた磁力線が極域磁気圏境界面にpile up("堆積")した結果で、磁気圏尾部ローブ領域での観測と同様である。一方、磁場ベクトルの方向については、pile upから期待される時間変化と逆に、磁力線がより水平になる方向へ変化した。これを、電離層が磁力線の動きを引き止めようとする効果によって説明した。次に、サブストームの爆発相(expansion phase)において、磁気圏尾部ローブ領域では磁場強度の減少が見られるのだが、極域磁気圏内のこの観測例では磁場強度は増大し続けた。これを、dipolarizationによる内部磁気圏〜極域磁気圏の圧縮効果によって説明した。完成した論文は学術誌に投稿中である。 また、地上磁場観測から磁気圏プラズマ密度をリモートセンシング的に求める方法についても研究した。この方法によって、人工衛星観測に加え地上からもサブストームに伴う磁気圏の状態変化を調べる事が可能となり、本奨励研究の研究目的に合致した研究となっている。この研究で論文1篇をJ. Geophys. Res.に投稿し掲載受理された。
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Research Products
(1 results)