2001 Fiscal Year Annual Research Report
フーグスティン塩基対形成型DNA蛍光プローブに基づく点突然変異遺伝子分析法の開発
Project/Area Number |
13740417
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西沢 精一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40281969)
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Keywords | フーグスティン / 塩基対 / 蛍光 / 検出 / 点突然変異 / SNPs / プローブ |
Research Abstract |
本研究は,SNPs(Single Nucleotide Polymorphisms)検出用蛍光プローブの開発を目的とする。本研究では,特に,DNAがフーグスティン型の水素結合形成により三重らせん構造をとることに着目し,フーグスティン型塩基対形成部位を有する新規レセプター分子の合成を行い,それらの有機溶媒中(CDCl_3:DMSO-d_6=4:1)における核酸塩基認識機能を評価した。 レセプター分子の基本骨格として,シトシンと同様の水素結合能を有する2-amino-7-methylnaphtyridineを採用し,これにフーグスティン型の水素結合部位としてアミノ基及びチオ尿素基を導入したプローブ群を合成した。 グアノシン誘導体添加により,各プローブのアミド部位のプロトンに低磁場シフトが見られることから,水素結合形成に基づく錯形成が示唆された。得られた化学シフト値の変化から,1:1錯形成定数を算出したところ,シトシンと同様の水素結合能を有するNPMeで14M^<-1>であったのに対し,アミノ基を導入したNPPAでは45M^<-1>,チオ尿素基を導入したNPTUでは120M^<-1>となることが分かった。以上の結果は,NPPA及びNPTUがフーグスティン型の水素結合形成によりグアノシン誘導体を補足していることを強く示唆している。 グアノシンに対して最も高い錯形成能を示したNPTUの塩基認識選択性について評価したところ,他の塩基誘導体添加では,^1H NMRスペクトル変化が全く観測されないことから,NPTUがグアノシンに対して高い選択性を有することが分かった。 以上,本研究では,ワトソン-クリック型及びフーグスティン型の塩基対形成部位を併せ持つプローブが,グアノシンに対する錯形成能・選択性向上に有用であることを明らかにした。今後,SNPs検出用蛍光プローブとしての詳細な機能評価を行う予定である。
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Research Products
(1 results)