2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13740452
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 真紀 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (10332595)
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Keywords | 細胞死 / 制御因子 / シロイヌナズナ / アポトーシス / プログラム細胞死 |
Research Abstract |
細胞が自ら死ぬ能力(プログラム細胞死)は多細胞生物が有する基本的、且つ重要な生命現象の一つである。中でも、アポトーシスと称される細胞死現象は、医学的興味から注目され精力的に研究が推進されている。 植物においてもプログラムされた細胞死が形態形成、病害虫抵抗性、環境ストレス抵抗性の獲得等に重要な役割を担っていることが明白であるが、どのような機構を通して自発的に生死をコントロールしているのか、詳細は不明である。本研究では植物細胞死の制御機構の解明を目的として解析を行い、以下の成果を得た。 本年度は特に、動物の細胞死促進因子であるBaxをシロイヌナズナに導入し、薬剤添加により発現誘導する系を開発した。この結果、Bax遺伝子が植物にもアポトーシスと類似の細胞死を引き起こす事を明らかにした。また、すでに我々のグループが単離していた植物由来のBax Inhibitor-1(AtBI-1)遺伝子を共発現すると、細胞死が抑制される現象も見いだした。これらの結果は、植物由来の細胞死抑制因子が、動物の細胞死促進因子と植物細胞内でクロストークする事を明確に示す。また、AtBI-1タンパク質の小胞体上への局在を、GFPを用いた実験により酵母及び植物細胞で決定した。さらに本遺伝子の植物における機能を明らかにするため、形質転換植物の作成、及び表現型の観察を現在進行している。これらの研究成果については、既にPNAS誌、及びFEBS Lett誌に報告した。 また、新規の細胞死抑制因子として、酵母を用いたスクリーニングによりEBPを単離した。本遺伝子は酵母内でBax誘導性細胞死を抑制できる植物特異的な転写因子である。今後、これら因子の機能解析を酵母、植物を用いてさらに進める予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Maki Kawai, Yamada, et al.: "Mammalian Bax-induced plant cell death can be downregulated by over-expression of Arabidopsis Bax lnhibitor-1(AtBl-1)"Proc Natl Acad Sci U S A.. 98. 12295-12300 (2001)
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[Publications] Pan Ling, et al.: "The Arabidopsis thaliana ethylene-responsive element binding protein(AtEBP)can function as a dominant suppressor of Bax-induced cell death of yeast."FEBS Lett. 508. 375-378 (2001)
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[Publications] Li-Hua Yu, et al.: "Induction of mammalian cell death by a plant Bax inhibitor"FEBS Lett. 512. 308-312 (2002)
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[Publications] Hiromitsu Fukuzawa, et al.: "Glufosinate-tolerant tobacco plants directed by the promoter of adenylate kinase gene of rice."Annals of Botany. 89. 1-4 (2002)
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[Publications] Hirofumi Uchimiya, et al.: "Transgenic rice plants conferring increased tolerance to rice blast and multiple environmental stresses"Molecular Breeding. (in press). (2002)