2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13740471
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松田 学 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30282726)
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Keywords | モノアミン / 代謝 / 酵素活性 / 乳腺 / 形態形成 / プロラクチン / 細胞培養 |
Research Abstract |
Gene Switchシステムを用いて特定の遺伝子の発現をmifepristoneにより誘導する細胞培養系を、CHO細胞において確立した。この培養実験系で、C末にtagを付したDBH-LP2(monooxygenase X ; MOX)遺伝子およびDBH、DBH-LP遺伝子を一過的に発現させ、その細胞抽出液から発現タンパクを精製し、そのDBH活性およびTBH活性の検出を試みた。DBHを発現させた細胞では両酵素活性が確認されたが、予想に反して、DBH-LP2やDBH-LP遺伝子を発現させた細胞ではDBH活性やTBH活性は検出されなかった。以上の結果から、DBH-LPおよびDBH-LP2は、DBHとは異なる機能を有する酵素タンパクであることが強く示唆された。一方、DBH-LP2の機能を推測するツールとして用いるため抗DBH-LP2抗体の作製を試みた。マウスDBH-LP2のC末付近のオリゴペプチドに対するポリクローナル抗体をウサギで作製し、アフィニティ精製を行った。得られた抗体は、ウェスタンブロット法を用いた解析により、発達した乳腺組織に含まれる約40kDのタンパクと特異的に結合した。DBH-LP2の推定分子量は約68kDであり、抗体が認識するタンパクがプロセシングにより生じたDBH-LP2の断片なのかあるいはDBH-LP2とたまたま構造が類似していた別のタンパクなのかは、今後明らかにする必要がある。 また、TH・DBH・DBH-LP・DBH-LP2・AADC・PNMTのmRNAの発現をPCRにより調べた。DBH-LPを除いた他の酵素のmRNAは、乳腺での発現が確認された。このうち、乳腺組織におけるDBH-LP2・AADC・PNMTのmRNAの含量は、比較的多いことがわかった。とくに、DBH-LP2の発現は、プロラクチン刺激の前後で大きな変動をみせ、DBH-LP2遺伝子の発現がプロラクチンにより誘導されることが確認された。乳腺組織内におけるDBH-LP2発現分布を、in situ hybridization法により調べたところ、乳腺腺房の腺上皮細胞において発現していることが判明した。他のカテコールアミン合成関連酵素遺伝子の発現分布の解析については、上述したようにDBH-LP2がDBH活性を持たずカテコールアミン合成との関連が不明瞭である故、今回は実施を見送った。 以上、DBH-LP2の機能は依然として不明であるが、その解明のための研究環境は整いつつある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Imaoka, et al.: "Cortactin-binding protein 90 (CBP90)expression in the mouse mammary glands during prolactin-induced lobuloalveolar development."Zoological Science. (in press).
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[Publications] K.Nakahashi, et al.: "Vitamin A insufficiency accelerates the decrease in the number of sperm induced by an environmental disruptor, bisphenol A, in neonatal mice."Zoological Science. 18. 819-821 (2001)
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[Publications] F.Masui, et al.: "Prevention of neonatal estrogen imprinting by vitamin by vitamin A as indicated by estrogen receptor expression in the mouse vagina."Cell and Tissue Research. 306. 441-447 (2001)
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[Publications] M.Matsuda, et al.: "Increased invasion activity of endometrial stromal cells and elevated expression of matrix metalloproteinase mRNA in the uterine tissues of mice with experimentally induced adenomyosis."American Journal of Obstetrics and Gynecology. (in press).