2002 Fiscal Year Annual Research Report
泊り場での霊長類3個体間の位置関係と社会交渉から3者の相性の生じ方を探る
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13740498
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
小川 秀司 中京大学, 教養部, 助教授 (80293976)
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Keywords | 3者関係 / さるだんご / ニホンザル / チベットモンキー / 配置 / 相互作用 / 泊まり場 / 相性 |
Research Abstract |
霊長類は特に寒冷時の泊り場などでは暖をとるために何頭かが互いに身体を接触させて「さるだんご」と呼ばれるかたまりを形成する。本研究では、「霊長類のどのような3者が互いに身体を接触させやすいか」を調べ、それに影響する要因を解析することで、3者の相性を考察しようとした。 チベットモンキー(Macaca thibetana)については,中国の黄山において1989-1993年に調査した資料を再分析した結果から、以下の(1)及び(2)が示唆された。(1)3者中の各2者がいずれもくっつきやすい3者はよく揃う。(2)交尾期には発情メスを巡るオス間の競合が高いため、オスとオスがくっつくことは少なくないにもかかわらず、オス・オス・メスの3者は揃いにくい。これらは、互いに三角形に位置した3者の観察頻度を、各2者の親密さ(親和的社会行動や身体接触の頻度)に基づいた期待値と比較したものである(Ogawa & Takahashi 2003 in press)。 またニホンザル(Macaca fuscata)については、京都市の「嵐山モンキーパークいわたやま」において2001-2002年に調査を実施した結果から、以下の(1)及び(2)が得られた。(1)3者によるさるだんごは母とその娘たちという組合せが多く,それに続いて母娘3代,姉妹とその内の1頭の娘という組合せが多い。(2)サルの体の向きを考慮すると、3者によるさるだんごは更に更に幾つかのパターンに分類できる。これらは2001年の日本動物行動学会及び2002年の日本霊長類学会で発表し、分析を継続中である。 霊長類における上記の発見は、「円滑な人間関係を形成させて行くためにどのようなグルーピングを作っていくか」という問題にヒントを与える発想にもつながると期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小川秀司: "さるだんご形成という社会交渉-サルたちの相互作用はなぜおもしろいのか-"第46回プリマーテス研究会記録(財)日本モンキーセンター. 46. 66-69 (2002)
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[Publications] Ogawa, H., Takahashi, H.: "Triadic positions of Tibetan niacaques huddling at a sleeping site"International Journal of Primatology. (印刷中). (2003)