2001 Fiscal Year Annual Research Report
共振器構造を利用したシリコンゲルマニウム材料発光ダイオードの試作に関する研究
Project/Area Number |
13750004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黄 晋二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50323663)
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Keywords | シリコンゲルマニウム / 発光ダイオード / 共振器 / 光エレクトロニクス |
Research Abstract |
平成13年度においては、本研究の目標である、「共振器構造を有する発光ダイオード試作」の前段階として、まず、共振器を構成するSiGe/Si分布ブラッグ反射鏡の作製に着手した。SiGe/Si分布ブラッグ反射鏡の作製においては、SiGeとSiの間にある格子不整合から生じる臨界膜厚のために、高反射率を得ることが難しいとされてきたが、本研究では、SiGe仮想基板とSiGe/Si周期構造全体で歪み応力を打ち消すように設計するストレインバランス法を利用することで、その問題を解決し、90%という記録的な高反射率を有するSiGe/Siブラッグ反射鏡を作製することに成功した。この成果は、欧文誌Applied Physics Lettersに掲載された。 また、作製した高反射率ブラッグ反射鏡を用いて微小共振器を作製し、さらにその微小共振器中に、発光層となるSiGe材料系量子構造を挿入し、発光特性について詳しく調べた。発光特性の評価には、反射率測定およびフォトルミネッセンス測定を用いた。発光層として、Si/Ge隣接閉じ込め構造およびGeドット層を用いた結果、どちらの場合においても共振器によって発光が変調を受け、強度および指向性が変化することを確認した。隣接閉じ込め構造を用いた場合、低温で非常にシャープな発光特性が得られたものの、室温では、ほとんど検出できない程度に弱い発光しか得られなかった。しかし、Geドットを用いた場合、室温付近まで発光が得られ、この結果から室温動作する発光ダイオードの発光層には、Geドットが適しているということが分かった。この結果については、今後欧文誌に発表していく予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Kawaguchi, S.Koh, Y.Shiraki, J.Zhang: "Fabrication of strain-balanced SiO.73GeO.27/Si distributed Bragg reflectors on Si substrates"Applied Physics Letters. 79. 476-478 (2001)