2002 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型電子デバイス実装基板のサブマイクロメカニクスに関する研究
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13750069
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
大口 健一 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (30292361)
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Keywords | 鉛フリーはんだ / 塑性・クリープ分離法 / 非弾性構成モデル / クリープ / 引張・圧縮繰返し負荷 / 有限要素法 / 低サイクル疲労 / ひずみ範囲分割 |
Research Abstract |
報告者が提案した,ひずみ速度依存性を示す応力-ひずみ関係の非弾性ひずみを塑性ひずみ成分とクリープひずみ成分に分離する「塑性・クリープ分離法」を用いて,3種類の鉛フリーはんだSn/3.5Ag/0.75Cu, Sn/57Bi/1.0Ag, Sn/7.5Zn/3Bi材の変形シミュレーションと低サイクル疲労寿命評価を行った.その結果は,以下の通りである. (1)鉛フリーはんだの変形シミュレーション:上記3種類の鉛フリーはんだ材の引張試験結果に塑性クリープ分離法を適用して,昨年度構築した非弾性構成モデルの材料定数を決定した.この材料定数を用いてクリープと引張・庄縮繰返し負荷のシミュレーションを実施し,実験と比較した結果,上述の構成モデルは,引張試験のみで決定した材料定数を用いるにも関わらず,クリープ変形とひずみ速度および温度依存性を示す引張・圧縮繰返し負荷を的確に予測できることが判明した.また,この構成モデルと材料定数を汎用有限要素解析ソフトに組込み,リフロによる電子デバイス実装工程のシミュレーションも実施した結果,リフロ工程で発生する電子パッケージの反り変形量は,Sn/7.5Zn/3Bi材を用いた場合に最大となることが判明した. 2)鉛フリーはんだの低サイクル疲労寿命評価:上記3種類の鉛フリーはんだ材を用いて行った,引張・圧縮繰返し負荷による疲労試験時の安定時のヒステリシスループを抽出し,ループ中の非弾性ひずみを,塑性クリープ分離法を用いて,塑性ひずみ成分とクリープひずみ成分に分割した.そして,各鉛フリーはんだ材料の疲労寿命が,塑性ひずみ成分とクリープひずみ成分のいずれに高い相関を示すのかについて調査した結果,Sn/3.5Ag/0.75Cuではクリープひずみ成分,Sn/57Bi/1.0AgとSn/7.5Zn/3Biは塑性ひずみ成分が疲労寿命と高い相関を示すことが判明した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 大口 健一, 佐々木 克彦: "塑性・クリープ分離によるPb/Snはんだの弾・塑性・クリープシミュレーション"日本機械学会論文集A編. 68巻673号. 1328-1335 (2002)
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[Publications] 大口 健一, 佐々木 克彦, 野々山 裕芝, 田上 道弘: "塑性・クリープ分離法の鉛フリーはんだへの適用"日本機械学会論文集A編. (掲載決定).
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[Publications] 大口 健一, 佐々木 克彦: "鉛フリーはんだ材の低サイクル疲労と寿命評価"平成14年度日本機械学会材料力学部門講演会講演論文集. 2002. 409-410 (2002)