2001 Fiscal Year Annual Research Report
積層複合材料における層間き裂先端の損傷領域定量評価に関するメゾメカニックス的研究
Project/Area Number |
13750075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
來海 博央 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (30324453)
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Keywords | 積層複合材料 / メゾメカニックス / 層間き裂 / き裂先端損傷領域 / その場観察 / X線 / 有限要素法解析 |
Research Abstract |
(1)T800H/#3631, AS4/PEEK, IM600/#133の3種類の炭素繊維強化複合材料,ならびに各複合材料を構成する炭素繊維, T800H, AS4, IM600に対し,Cu-Kαの特性X線を用いて回折プロファイルを測定した. 各複合材料と対応する炭素繊維の回折プロファイルはほぼ一致し,樹脂の影響がほとんどなかった. 以上より,複合材料中の繊維の応力測定にX線による評価法が有効であることが分かった. (2) Cu-Kαの特性X線で得られる3種類の複合材料の回折プロファイルは,(002)面に相当する2θ=26°付近で強い回折ピークが得られる似た形状となった. (101)面や(004)面の位置にも回折強度は弱いが,回折ピークが存在することがわかった. (3) 3種類の複合材料に対してCr-Kαの特性X線を用いて回折プロファイルを測定した. これにより(002)面に相当する回折ピークの位置2θが約37°と,Cu-Kα線に比べて10°ほど高角側となった. さらにT800H/#3631とIM600/#133は,(101)面や(004)面の回折ピークもCuよりも高角側でかつ高強度で得られ,複合材料中の繊維相応力の同定には, Cr-Kαの特性X線を用いた応力測定法が有用であることが分かった. (4) T800H/#3631の複合材料に対して,100μm×100μmの微小領域の回折プロファイルを放射光を用いて測定した. 測定手法として揺動法を用いることで,微小な照射領域でも(002)面の強い回折ピークが得られ,き裂先端微小領域の応力測定への適用可能性が分かった. これらの測定は, Cu-Kαの特性X線と同じ波長を持つ放射光で行ったもので,Crの場合と同じ波長で測定することにより,(002)面のみならず(101)面や(004)面の回折ピークもより高角側でかつ高強度に得られる可能性が推察された.
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Research Products
(1 results)