2001 Fiscal Year Annual Research Report
生分解性樹脂を母材とする環境調和型の繊維強化複合材料の開発・評価
Project/Area Number |
13750076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 拓 神戸大学, 工学部, 助教授 (80236629)
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Keywords | 複合材料 / 生分解性樹脂 / リサイクル / 環境強度 / 疲労寿命 / 界面強度 |
Research Abstract |
本研究では,従来のプラスチック基複合材料と比べて環境負荷が小さい生分解性樹脂を母材とする繊維強化複合材料を開発し,使用中は壊れずに廃棄時には容易に壊せる材料の追求を図る.本研究の範囲では,樹脂の成分調整と繊維/樹脂界面の強化を試み,使用環境下での強度・寿命評価とコンポスト処理による生分解速度評価を通して,高強度かつ数年〜10年の長寿命,および廃棄段階での高分解速度を併せもつ複合材料を開発する.さらに,廃棄複合材料の樹脂が生分解した後に残される繊維の回収・リサイクル試験を実施する.本年度は以下の検討を行った. (1)生分解速度のコントロールを目的として,成分を変えた3種類のポリ乳酸(PLA)を母材樹脂として準備した.また,炭素繊維の平織クロスを強化材とし,3種類の繊維表面処理(アクリルシラン剤浸漬,エポキシシラン剤浸漬,および水酸化ナトリウム溶液浸漬)を行った.これらの樹脂と繊維を組合せ,計9種類の複合材料板をホットプレス成形した.また,比較材として,同じ平織クロスと汎用エポキシ樹脂を組合せた複合材料板を成形した.これらの複合材料について,引張強度の測定を行った.また,長期使用に対する寿命評価のために,平滑材,およびき裂材の疲労試験を行い,S-N曲線ならびにき裂伝ぱ特性のデータを採取中である. (2)上記の複合材料の耐環境性を調べるため,高温高湿環境(60℃水中),生理食塩水,硫酸水溶液(pH=1),および紫外線環境に対する暴露を実施中である.今後,これらの複合材料の引張強度・疲労強度の測定を行い,各種環境における強度保持率を評価する予定である. (3)上記(1)で成形した複合材料板の一部をコンポスト化装置に投入し,樹脂生分解速度の測定を行っている.これまでの結果として,(1)で測定した引張強度が高くなるにつれて,生分解速度が低くなる傾向が認められた.
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Research Products
(1 results)