2001 Fiscal Year Annual Research Report
繊維/樹脂界面の動的環境強度特性評価と界面はく離疲労き裂進展のその場観察
Project/Area Number |
13750078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 和人 京都大学, 工学研究科, 助手 (50303855)
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Keywords | 繊維 / 樹脂界面 / 単繊維引き抜き試験 / アラミド繊維 / 水環境効果 / その場観察 / AE |
Research Abstract |
複合材料は「組合せ」であるが故に数多くの特徴を有し,単素材では実現できない特性の可能性に富んでいる一方,必然的に異種材料間に界面が存在し,その特性が複合材料の機械的特性に大きな影響を与える.しかしながら,繊維/樹脂界面の機械的特性や破壊機構,特に実使用下において重要となる環境強度特性に関する知識は,高強度・高弾性繊維強化複合材料の研究・開発の歴史が浅いこともあり,極めて乏しい状況にある.そこで,本研究においては,繊維/樹脂界面のその場観察が可能な単繊維強化エポキシ引き抜き試験片を作成し,水環境が破壊特性に及ぼす影響を定量的に評価した.単繊維引き抜き試験片を,80℃のイオン交換水に7週間浸漬すると,繊維/樹脂界面強度が26%低下し,繊維破断強度が37%低下することが明らかとなった.引き抜き後の繊維表面を高分解能電界放射型電子顕微鏡により観察したところ,空中放置材には繊維表面に樹脂が付着しているのに対して,7週間吸水材には樹脂付着がほとんど見られず,吸水により繊維/樹脂界面強度が低下したことを明らかにした.また,種々の試験片形状を検討し,界面はく離疲労き裂進展のその場観察が可能な単繊維引き抜き試験片を新たに考案し,疲労荷重下でその場観察できることを示した.さらに,繊維/樹脂界面はく離のその場観察,AE波複数パラメータによるオンライン非破壊損傷評価から,引き抜き試験中に計測したAEが,埋め込み長さ全長にわたる繊維/樹脂界面はく離の不安定進展時に発生するもの,繊維破断時に発生するもの,stick-slip時に生じるもの,繊維/樹脂界面はく離の進展時のものの4種類に分類でき,埋め込み長さ全長にわたる繊維/樹脂界面はく離の不安定進展時や繊維破断時のAEは高振幅,長持続時間であることを示し,AE信号と破壊の関係を導き出した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Komai: "Characterization of the Ararnid/Epoxy Interfacial Properties by means of Pull-out Test and Influence of Water Absorption"Materials Science for the 21st Century. Vol.B. 261-264 (2001)
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[Publications] 箕島 弘二: "アラミド単繊維/エポキシ樹脂の界面破壊特性に及ぼす水環境効果とAE波解析"日本機械学会2001年度年次大会講演論文集. Vol.V. 87-88 (2001)