2001 Fiscal Year Annual Research Report
原子間力顕微鏡下その場観察とSSDA法画像処理によるナノスケールひずみ計測
Project/Area Number |
13750079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
植松 美彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80273580)
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Keywords | 疲労強度 / 疲労き裂進展 / 画像処理 / 微小き裂 / 高精度計測システム / AFM / 微視的観察 / その場観察 |
Research Abstract |
原子間力顕微鏡下での試験が可能な平面曲げ疲労試験機を用いて、微小切欠きを有するα黄銅の平面曲げ疲労き裂進展試験を実施し,疲労き裂の発生と進展挙動のナノスケール動的観察を行った.疲労き裂進展挙動として以下の知見が得られた。き裂進展駆動力の低い低K地レベルでは、き裂は結晶粒の優先すべり系に依存した進展挙動を示す。すなわち、粒内のに存在するシュミット因子の高いすべりのにみ優先的に作動することによって、そのすべり方向に沿って進展するが、同一すべり面を繰返し転位が移動することで繰返しひずみ硬化が生じ、き裂は停留する。その後、き裂先端もしくは極後方の二次すべり系の作動の影響が大きくなり、き裂は屈曲もしくは分岐して進展方向を変える.その後、この挙動を繰返し進展するため、巨視的にも傾いたき裂となる。これに対してき裂進展駆動力が高くなると、すべり面の違いによる作動しやすさの差の影響は比較的小さくなり、同時に2つのすべりがき裂上下面で作動することで微視的にも荷重軸直角方向に進展するようになる。疲労き裂進展挙動に及ぼす結晶粒界の影響も駆動力により違いが表れ、駆動力が小さい場合には結晶粒界によりすべりが抑制されるため粒界近傍でき裂進展速度の低下もしくは停留それに引き続くき裂の分岐・屈曲が顕著に生じる。
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