2001 Fiscal Year Annual Research Report
電子線誘起超音波顕微システムを用いた疲労試験機の開発と疲労き裂進展機構の解明
Project/Area Number |
13750080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小山 敦弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40324800)
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Keywords | 電子線誘起超音波顕微システム / インデンテーション / 超音波信号 / 非破壊内部観察 / 走査型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
本年度は、従来の走査型電子顕微鏡(SEM)に若干の装置を追加するだけで構築することができ、選択した場所の非破壊・内部観察を行うことが可能である電子線誘起超音波顕微システム(SEAM)を用いて、3次元き裂の形状測定を可能にするために、まず、き裂導入用試験機として、インデンテーション試験機の試作を行った。この試験機は、積層圧電セラミックスをアクチュエーターとして採用し、AD/DAボードを介して試験荷重をパソコンから制御できるようにした。製作した試験機を用いることで、試験片にき裂を導入することが出来るかどうかを確認するために、板厚0.5mmのシリコンを試験片に用い、球圧子による押込み試験を行い、3次元き裂の導入を試み、き裂の導入が可能であることを確認した。さらに、現有のSEAMシステムでは、試験片内部の情報を得るには、精度が十分ではないため、SEAMの電子線照射による試験片からの超音波信号の増幅を行うための増幅回路の試作を行った。SEAMからの超音波信号は非常に微弱で、周波数が高いため、超音波信号検出器であるPZTの信号をトランジスタを用いたヘッドアンプによりインピーダンス変換を行うとともに増幅し、ノイズの影響を受けにくくした。その後、検出信号に重畳するノイズ成分を除去するために、インスツルメンデーションアンプによりノイズ除去を行い、さらに増幅することで、高周波微小信号の検出を可能とし、電子線誘起超音波信号の検出を確認した。
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