2001 Fiscal Year Annual Research Report
微粒子砥粒砥石による単結晶シリコンウエハの鏡面研削メカニズムの解明
Project/Area Number |
13750095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
澁谷 秀雄 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (80303709)
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Keywords | 超精密加工 / 平面研削 / EPD / 微細砥粒砥石 / 鏡面研削 / 硬脆材料 / シリコン |
Research Abstract |
本研究では,砥粒として長さ数十μm・厚さ約1μmの微細な薄片状凝集シリカ粉末を用いてシリコン鏡面研削用微粒子砥粒砥石(これ以後、薄片状シリカEPDペレットと呼ぶ)を作製し、研削実験に供した。その結果、薄片状シリカEPDペレットでも,従来の球状シリカEPDペレット同様,8インチシリコンウエハを研削痕やスクラッチ痕の無い鏡面に研削できることがわかった。また、そのときの到達表面粗さを非接触式表面形状測定器で測定したところ、約11nmp-v(1.1nmRa)であった。 作製した薄片状シリカEPDペレットによるシリコンウエハの鏡面研削メカニズムを検討するため、研削した際に生じた研削屑のSEM観察を行った。その結果、研削屑には針状と粒状の、2種類の形状のものが含まれていた。これらのEPMA分析を行ったところ,両者ともシリコンの酸化物であった。これより,これらはシリコンウエハから生じた切り屑,または脱落したシリカ砥粒の一部であることが分かった。また,これまでに球状シリカEPDペレットで研削すると針状の切り屑が生じることが分かっている。これより,本研究で見られた針状のものはシリコンウエハから生じた切り屑だと考えられる。一方,粒状のものは薄片状シリカで研削した場合でのみ見られた。これより,粒状のものは脱落した薄片状シリカ砥粒の一部であると考えられる。一方,粒状のものは薄片状シリカで研削した場合でのみ見られた。これより,粒状のものは脱落した薄片状シリカ砥粒の一部であると考えられる。本研究で使用した薄片状凝集シリカは,数十nmのシリカ超微粒子を板状に凝集させた後に熱処理を行い,その後機械的に粉砕したものである。これより,その熱処理工程で数十nmのシリカ超微粒子がサブミクロンサイズの粒状に成長している可能性がある。また,研削屑の観察より,サブミクロンサイズの粒状シリカは脱落した薄片状シリカの一部であると考えられる。すなわち,薄片状シリカはサブミクロンサイズの粒状シリカから構成されていることを示唆している。これより,見かけ上の加工は長さ数十mm・厚さ約1mmの薄片状シリカで行われているが,実際にはサブミクロンサイズの粒状シリカによって加工が行われていると考えられる。すなわち,非常に微細なサブミクロンサイズの粒状シリカによって加工が行われているため,薄片状シリカであっても鏡面研削が可能であったと理解できる。しかしながら,その粒状シリカが機械的,化学的,あるいは両方の作用で加工に寄与しているかは不明である。今後,更なる検討を行う必要がある。
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