2001 Fiscal Year Annual Research Report
小型アクチュエータ用プラスチックウォーム歯車の性能向上に関する研究
Project/Area Number |
13750124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大島 史洋 佐賀大学, 理工学部, 助手 (30295018)
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Keywords | ウォーム歯車 / 歯面修整 / プラスチック / 動力伝達効率 |
Research Abstract |
本年度はプラスチックウォーム歯車の設計と効率試験を行うための試験機と歯車対の製作を行った.また,凸の歯形をもつホブを用いて,リン青銅とポリアセタールで2条のウォーム歯車対を製作し,効率試験を行った.その結果,ポリアセタールがリン青銅よりも約10%効率が良くなった.この理由は,リン青銅よりもポリアセタールの摩擦係数が小さいことにくわえ弾性係数が低く荷重分布が一様になりやすいことによると考えられる.したがって,効率が低いとされている1条ウォームに適用すれば,ホイールの材料をプラスチックとすることで効率向上が望めることがわかった.さらに,ホブの増径量が異なる2種類のプラスチックウォーム歯車対を製作し,入り口側の修整量が動力伝達効率に与える影響を調べた.その結果,修整量が大きい歯車対の効率が良くなった.その理由は,修整量の小さい歯車対は中荷重でホイールの歯幅全体が当たってしまい,入り口すき間がふさがれ,潤滑状態が悪くなったことが原因と思われる. 設計においては1条と3条のウォーム歯車について歯形,転位量およびホブの増径量を変化させて計算を行い,歯形変化と転位量を組み合わせることによって潤滑状態を改善できる結果となった.ホイールの製作においても1回の歯切りで計算と一致した歯当たりが得られた. 来年度は設計した1条と3条の歯車対を用いて,歯形や転位量が動力伝達効率に与える影響を広範囲に調べ,プラスチックウォーム歯車の最適歯面設計方法を見出すことを目的とする.
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