2002 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスケール解析に基づく混相流動詳細解析コードの開発
Project/Area Number |
13750135
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 周 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30272371)
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Keywords | 混相流 / 分散相流れ / マルチスケール / 気泡 / 数値解析 / モデリング / 表面活性剤 / 平均化方程式 |
Research Abstract |
多数の気泡や液滴・粒子を含む流れは,流体機械を始め,化学反応器,熱交換器,エンジンの燃料噴射部など,工学上重要となる種々な装置で見受けられる.そのため,これらの流れを精度よく,高速・安定に計算する手法の開発が望まれているが,これらの流れでは流れの大域的構造(マクロ構造)の中に多数の分散相が生み出すミクロ構造が存在しており,ミクロ,メゾ,マクロの様々なスケール間の相互干渉によって現象が支配されているため,高精度の数値計算が困難なものとなっている.本研究では,これらミクロ・メゾ・マクロの多重スケール構造を持つ気泡流に関して,そのスケール間干渉が正確に再現できるような数値計算手法を開発することを目的とした. 本年度は,昨年度得た個々の気泡の運動に関する種々の知見をもとに,個々の気泡のミクロな挙動が気泡流乱流のマクロ構造に与える影響の評価を行なった.特に,そのメカニズムが明らかにされておらず最近話題となっている,マイクロバブルによる気泡の抵抗低減効果に関するシミュレーションを行なった.その結果,従来までの数値計算とは異なり,実験と同様に抵抗が減る現象をシミュレートすることに成功した.さらに,そのメカニズムについて計算結果をもとに解析を行ない,気泡流の非定常な発達過程が,抵抗低減の1つのメカニズムであることを示した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Magnaudet J., Takagi, S., Legendre, D.: "Drag, deformation and lateral migration of a buoyant drop moving near a wall"Journal of Fluid Mechanics. 476. 115-157 (2003)
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[Publications] Takemura, F., Takagi, S., Magnaudet, J., Matsumoto, Y.: "Drag and lift forces on a bubble rising near a vertical wall in a viscous liquid"Journal of Fluid Mechanics. 461. 277-300 (2002)
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[Publications] Takagi, S., Oguz, H.N., Zhang Z., Prosperetti, A: "PHYSALIS : A New Method for Particle Flow Simulation. Part II : Two-Dimensional Navier-Stokes Flow around Cylinders"Journal of Computational Physics. (掲載予定). (2003)
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[Publications] 杉山和靖, 高木周, 松本洋一郎: "乱流構造が気泡・粒子運動に及ぼす影響(各種乱流統計量に及ぼす粒子密度の影響),日本機械学会論文集(B編)"日本機械学会論文集(B編). 68・669. 1481-1439 (2002)
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[Publications] Sugiyama, K., Kawamura T., Takagi, S., Matsumoto, Y.: "Numerical simulation of transient microbubble flow"Proc. 4th Symp. on Smart Contral of Turbulence. 51-60 (2003)