2001 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマトーチの燃焼性向上における振動励起分子の効果
Project/Area Number |
13750158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滝田 謙一 東北大学, 大学院工学研究科, 講師 (80282101)
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Keywords | プラズマトーチ / 着火 / 保炎 / 振動励起分子 / ラジカル |
Research Abstract |
今年度は、プラズマトーチの作動ガスの組成が着火性に及ぼす影響を調べるため、酸素プラズマジェット(PJ)、窒素PJ、混合割合を種々変えた水素/窒素PJによる着火実験及び分光分析を広範囲の実験条件において行った。得られた結果において、組成に関わらず励起分子やラジカルからのスペクトルが極めて限られた領域でしか(PJ噴射地点から下流に10mm程度)検出できず、PJ噴射後、それらが急速に失活してしまっているのがわかった。投入電力に比例して発光強度は増加するが、発光を検出できる領域はほとんど変わらなかった。ゆえに、着火の可否に最も強く影響するのはPJの高温領域と燃料流の接触面積と考えられ、作動ガスの組成等の影響は小さい。また、主流空気の温度を300Kから700Kまで変化させて実験を行ったが、PJからのスペクトル分布や強度に変化はなく、ラジカルや励起分子の生成量や存在寿命はPJ自身の温度に強く依存することがわかった。主流空気流の温度の上昇は着火性の向上をもたらしたが、それは燃料自身の反応性が向上したためと考えられる。加えて、着火実験において、水素割合の高い水素/窒素混合作動ガスを用いたPJの着火性が、他の作動ガスを用いたPJより極めて高かったが、それは作動ガスに含まれる解離しなかった水素の主流空気流中での燃焼による発熱の効果であると考えられる。しかし、励起分子やラジカル、イオンといったPJ噴射ガスの組成の変化の影響も考えられ、さらに深く検討する必要がある。
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