2001 Fiscal Year Annual Research Report
ミスト冷却熱伝達の促進を目的としたスプレーフラッシュ液体微粒化法の追究
Project/Area Number |
13750169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小坂 暁夫 富山大学, 工学部, 助手 (20242480)
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Keywords | スプレーフラッシュ / 微粒化 / 液滴分散流 / 噴霧液滴 / 減圧沸騰 / 過熱 / ノズル |
Research Abstract |
ミスト冷却の高効率化を目的とした噴霧液滴群の最適形成・供給法の追究として,スプレーフラッシュによる過熱水噴流の微粒化特性について,液体の過熱度(ノズル入口温度と1atmでの液体の飽和温度との差),噴出圧力差(ノズル入口圧力と大気圧との差)を操作条件に,耐熱ガラス製円筒ノズルの寸法をパラメーターとして実験した結果,以下の成果を得た. 1.噴霧条件としてノズル出口下流における液滴分散流のマイクロフラッシュ撮影から,微粒化の様相は圧力差一定のもと過熱度の増加とともに部分微粒化から完全微粒化へと変化し,過熱度一定では圧力差のより小さい場合が完全微粒化することが明らかにされた.しかし,微粒化の様相は操作条件が液体の熱力学的飽和状態に近づくとともに蒸気流となり,つまり,液滴分散流となる最適条件の存在が明らかにされた.ノズル寸法の影響として内径の効果は,より大径のほうがノズル内での気泡核生成(不均一)確率が増すため微粒化し易く,長さについては,同じ内径の場合,より短いノズルが微粒化開始過熱度が似下する,すなわち微粒化し易いことが明らかにされた. 2.微粒化特性としてノズル出口下流における液滴分散流の流量密度分布は,過熱度あるいは出口からの距離の増加とともに噴出液がより微粒化するため平坦化した.但し,飛行過程での分裂挙動はある距離以上(ある滴径以下)に達するとほぼ収束することが明らかにされた.他方,データ収集システムによって得た液滴温度分布は,微粒化開始過熱度がより低温であるほど高温で,より高温であるほど低温で平衡し,さらに,噴霧角については過熱度の増加とともに,また,ノズル内径が同じ場合,微粒化開始過熱度がより高温となる長いノズルにおいて,それぞれ広角(微粒化の促進)になることが明らかにされた.以上より,より高過熱度の液体においてより小径の液滴群に微粒化することが示唆された.
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