2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
山本 和弘 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (60283488)
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Keywords | 格子ガスオートマトン法 / メゾスケール / 数値流体力学 / 燃焼 / 火炎 / 数値解析 / 反応流れ |
Research Abstract |
近年メゾスケールに着目した新しい解析手法として格子ガスオートマトン法(Lattice Gas Automata,LGA)が提案された.支配方程式を解く従来の手法とは異なり,分子や原子の集合に相当する仮想的な粒子を用いて流れを模擬する方法である.密度や速度などの巨視量は,その挙動を統計的に処理することで得られる.この手法では,数学モデルを計算モデルに変換する必要がないため,その際生じる打ち切り誤差がない.粒子の有無を整数型の変数であるBool変数を用いて記述するため丸め誤差がなく,数値安定性に優れている.また,境界条件の記述が容易で,データの局所性も高く,並列計算に適している.これまでは,LGAは主に流れの解析に用いられ,反応性流体の解析例はほとんどない.通常反応流れの解析には非常に多くの計算時間が必要なことから,計算方法が非常に単純なLGAの手法を用いてこれらの問題を検討することは非常に有意義であると思われる. 本研究では,代表的な熱流体現象である燃焼場に着目する.反応を模擬するための2成分のLGAモデルを提案し,代表的な火炎である対向流火炎を対象とした.これまでのモデルに加えて,今回新たに各粒子に温度や濃度の特性を仮定することにした.これにより,温度や濃度などの巨視量を決定することができる.反応量を反応確率により表現したところ,反応確率がある程度小さい場合には,初期に高温領域を与えても火炎がよどみ領域に近づき消炎した.反応確率がある値以上では,系がほぼ定常となり,反応領域に流入する反応物の量と,反応物が生成物に変化する量がバランスする位置に火炎が定在した.これらの挙動は,実際の対向流火炎のものと似ており,今回提案したモデルにより燃焼場の計算が可能であることが示唆された.今後,他の火炎に対しても数値解析を行い,実験データとの定量的な比較により計算モデルの改善を行う予定である.
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Research Products
(1 results)