2001 Fiscal Year Annual Research Report
エゼクター式吸収器によるハイブリッド吸収ヒートポンプの高効率化に関する研究
Project/Area Number |
13750180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
齋藤 潔 早稲田大学, 理工学部, 講師 (90287970)
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Keywords | エゼクター / 吸収式冷凍機 / アンモニア / ハイブリッド空調 |
Research Abstract |
吸収式冷凍機において,冷媒の吸収過程をエゼクター内で行うと,吸収溶液あるいは冷媒の膨張エネルギーを回収できるため,蒸発器における冷媒の気液平衡圧力よりも高い圧力下で冷媒の吸収を行うことが可能となる.このようなエゼクター式吸収器をハイブリッド空調システムに組み込むと,吸収溶液の濃度幅が増大し,吸収溶液の顕熱の上昇に必要な熱量,冷媒の精留に必要な精留熱量を低減でき,ハイブリッド空調システムの効率が大幅に向上する.しかし,このようなタイプの吸収器は新規なものであることから,その基礎特性すらほとんど検討がなされていない.そこで,本研究では,エゼクター式吸収器の基礎特性を明らかにし,実用化に向けた指針を明らかにする. 本年度はまず,計画にもとづいてエゼクターの文献調査を行った.その結果,単相流のエゼクターに関してはいくつかの報告があり,これを用いて圧縮式冷凍機の性能が向上できることが明らかとされていることがわかった.一方で,本研究のような2成分2相流エゼクターに関する研究はほとんどなく,どの程度の性能が得られるか明らかとなっていないことがわかった.また,アンモニアー水を作動媒体とする2成分2相流エゼクターの簡易なシミュレーションモデルの構築を行った.ここでは,エゼクターを駆動流ノズル,吸引流ノズル,ディフューザー,混合部が接合されたシステムとみなしてモデル化し,それぞれの連続方程式,エネルギー方程式,断熱効率からなる解析モデルを構築した.そして,シミュレーションにより,エゼクター効率等を明らかにすることができた.また,エゼクターの性能を十分発揮するためには,ハイブリッド空調システムの設計を駆動流の流量をできうる限り大きくする点で行うことが重要であることがわかった.
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