2001 Fiscal Year Annual Research Report
圧電厚膜振動子によるマイクロマシン用高出力超音波アクチュエータの研究
Project/Area Number |
13750190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
青柳 学 山形大学, 工学部, 助手 (80231786)
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Keywords | 圧電厚膜 / マイクロマシン / 3自由度アクチュエータ / 超音波アクチュエータ / 振動ポンプ / スクリーンプリント / 圧電デバイス / セラミックス |
Research Abstract |
圧電厚膜の形成方法とその特性を把握することをはじめに行った。その結果、圧電厚膜の形成をスクリーン印刷によって行った場合には圧電定数はバルク材時より小さくなる。バルク材と異なり焼結時に圧力が加わっておらず、圧電材料内部が疎になることが原因と考えられる。しかし、厚みを増すことで発生力を増大することができた。アルミナ基板上に圧電材料の印刷と焼結を3回繰り返し、およそ100マイクロメートルの厚さを形成した場合に大きな励振が観察された。スクリーン印刷による圧電厚膜は100マイクロメートルの幅が最小であり、それ以下の微細なパターンの形成は困難であった。この理由より、ミリメートルオーダーにおいて、各種の実験を試みた。 圧電厚膜が超音波アクチュエータに利用可能であるか実験的に確かめた。アルミナ基板に電極材と圧電材料を印刷し、圧電材料に交流電圧を印加することによってアルミナ基板の励振を試みた。その結果、強い励振が得られ、アルミナ基板上で固形物体を振動させることも可能であった。これより、正方形アルミナ基板に2つの同形屈曲振動と1つの高次屈曲振動モードを励振させ、それらを組み合わせることにより基板中央部に配置した円筒の先端でボールの3自由度回転を実現した。これにより本研究の目的の一つであるマイクロマシン作業用のコンパクト3自由度アクチュエータが実現できた。 圧電厚膜によってアルミナ基板を更に強く励振することが可能と思われるため、マイクロマシン移動推進用アクチュエータとして、振動ポンプならびに回転型アクチュエータの実現が十分期待できる。今後は圧電厚膜の緻密なパターンを形成できるように印刷方法を改良する必要がある。また、セラミック基板にのみ圧電材料を印刷することが可能であるが、セラミック基板は加工に不便であるため、他の加工性に優れた材料を検討する必要がある。
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