2002 Fiscal Year Annual Research Report
ゲインスケジューリングを用いた空気圧サーボ系の動摩擦補償制御
Project/Area Number |
13750200
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
小嵜 貴弘 広島市立大学, 情報数理学科, 助手 (20285422)
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Keywords | 空気圧工学 / 空気圧シリンダ / 空気圧サーボ系 / スティックスリップ / ゲインスケジューリング制御 / 摩擦振動 |
Research Abstract |
空気圧シリンダを利用した駆動システムでは,低速度で動作する場合,スティックスリップが発生して動作が断続的となる.そのため,スティックスリップの発生は特にサーボ機構を構成して中間位置停止を行う際に精密動作を妨げ,停止精度の著しい劣化の因となる.本研究では,位置決めのための空気圧サーボ系に対するスティックスリップの低減化を目的としたゲインスケジューリング制御,及びスティックスリップの発生に関する条件の導出を試みた. スティックスリップは摺動部の摩擦特性に大きく依存する.そこで,空気圧サーボ系の設計においては,摩擦特性の動的変動を考慮に入れ,摩擦力-速度特性曲線のこう配を時変パラメータとして扱い,線形パラメータ可変システムを構成した.さらに,この時変パラメータを直接測定することが困難なため,実験的に求めた摩擦モデルを取り入れてオンラインで推定できるようにし,それに応じて摩擦特性の変化に対応できるようなコントローラをスケジューリングすることで求め,スティックスリップの発生による性能劣化の抑制を図った.提案手法では,実験により固定ゲインの制御と比較すると,特に摩擦特性が非線形となる低速域での応答が改善され,目標値付近においてスティックスリップの抑制が実現された. また,空気圧駆動系のスティックスリップを解明するため,系の安定性とスティックスリップの発生条件について検討を行った.まず,摩擦特性を速度の任意関数として系の不安定領域と不安定化の要因の特定を試み,系の安定性が摩擦力-速度特性曲線のこう配に依存することを確認した.次いで,シミュレーションにより系の挙動を調べ,それをもとにスティックスリップの発生条件を導出し,実験結果との対比の結果,スティックスリップの発生は主としてシリンダ室内圧力の変動の度合と系の減衰性により判断できることを示した.
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Research Products
(1 results)