2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750203
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Technology |
Principal Investigator |
古屋 治 東京都立工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (00290726)
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Keywords | 制振装置 / 層間設置型 / パッシブ / 地震応答解析 / 加力実験 / 減衰力特性 / 最適配置 / GA |
Research Abstract |
現在,付加質量搭載型と層間設置型とに大別される制振装置がある。近年,層間設置型制振装置では高減衰ゴムや高粘性流体といった低剛性かつ高い減衰性を有する材料を制振材料として適用することで既存の制振装置では困難であった交通振動から大地震までの幅広い外乱振動領域に対応可能な装置が研究開発されてきている。さらに,より効果的な制振効果を得るためER流体やMR流体といった知的材料を使用したセミアクティブ制振などの研究開発も盛んである。しかしながら,これらの知的材料は,一般に装置と制振対象との相対速度が負になった際に特性を変化させ見かけ上ブレーキのように装置を働かせる機構が多く,機構上および応答性の問題から地震等のランダム波入力時に対しては対応が困難な場合がある。また,減衰力特性を必要に応じて可変させるうえで,常に外部からのエネルギー供給が必要となる。本研究は,パッシブ形式で可変特性型制振装置を実現するための可変特性機構を有する層間設置型制振装置の基礎的研究開発である。また,当該装置を建物に適用する際の最適配置方法に関して,遺伝的アルゴリズムを適用し,経済性と制振性能という異なる設計要求を考慮した効率の高い制振装置適用方法を検討することである。今年度は,前年度設計製作した実験供試体の制振材料を未加硫高減衰ゴムに変更し,さらに,装置のシール部等に改善を加えることでより現実的な観点で装置の加力実験を実施した。結果として,設計段階で想定した減衰力特性が示され,本研究の最も重要な点であるパッシブ形式で装置の減衰力特性を制御する,という観点に関しては様々な加力実験により確認した。装置の改善等にかなりの時間を費やすこととなり,装置の詳細なモデル化,遺伝的アルゴリズムを用いた最適配置方法の検証には,至らなかったものの,今年度までに得られた結果を基に今後研究を継続し,発展させていくための十分な知見を得た。
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