Research Abstract |
1. 薄膜金属ガラスのレーザマイクロフォーミングの検討 薄膜金属ガラス微細構造体を任意の場所で曲げ,ねじりを与えるために,MEMSプロセスにより製作した微細片持はり(幅50μm,長さ500μm,厚さ5μメートル)を,レーザにより局部的に過冷却液体域に加熱した,過冷却液体域で局部的に軟化した微細はりを,機械的外力により変形させ,冷却することで成形し,90゜曲はりや90゜ねじりはりの製作に成功した.この時のレーザ出力,加熱時間を実験的に検討し,薄膜金属ガラスの結晶化,および変形不十分とならないレーザマイクロフォーミングの条件を決定した. 2. 微細はり上への圧電薄膜の成膜 当初予定していた水熱合成法による圧電薄膜(PZT)の成膜は,基板へのダメージが大きいことから断念し,スパッタ法による成膜を試みた.Pt電極上に圧電薄膜をスパッタし,アニーリング後,電極を兼ねたPd基薄膜金属ガラスを成膜し,幅90μm,長さ700-1,000μm,厚さ7μmの圧電薄膜付き,微細片持はりを製作することに成功した. 3. 圧電薄膜付き微細はりの駆動 製作した微細はりの圧電薄膜に電圧を印加して,駆動を試みた.印加電圧70Vで,はり先端は,最大4μm変位することを確認した.また,このはりの共振周波数は,約3kHzであった. 4. 圧電薄膜付き微細はりのレーザーマイクロフォーミング 駆動に成功した圧電薄膜付き微細はりを,90゜曲げまたはねじることで,2自由度アクチュエータの製作を試みたが,Pt電極およびSiO_2絶縁層の剥離により成功しなかった.プロセスおよび構造の再検討により,来年度中に,2自由度マイクロアクチュエータを実現する.
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