2001 Fiscal Year Annual Research Report
均質自律ロボット群における機能分化に基づく適応的組織生成に関する研究
Project/Area Number |
13750222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大倉 和博 神戸大学, 工学部, 助教授 (40252788)
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Keywords | 均質システム / 強化学習 / 機能分化 / 協調システム / 自律ロボットシステム |
Research Abstract |
本研究の中心課題は,高い自律性をもつ自律ロボットがおのおのを取り巻く環境とのインタラクションを通して集団内で自分の役割を発見するとともに,他のロボットとの協調タイミングを獲得して作業チームを組織化することのできる自律ロボット群の構築である.システムの高い自律性の観点からロボット群は均質とし,その機能分化機構に対して2段からなるアプローチをとりながら研究を進めている.まず第1段目は,互いに通信せずとも各ロボットの環境認知パターンに対して行動パターンを出力することにより,集団全体の組織行動が生成されると考える方式,第2段目は,環境中に情報を投げて自分の状況や意志を仲間に伝達することにより,組織行動を生成すると考える方式である. 第1年目では,主として前者のアプローチをとった.タスクを荷物の協調搬送問題として,各ロボットの意志決定機構に強化学習を採用したアプローチをとった.強化学習は,動的プログラミング法に基づいて設計されているため,静的環境であることが適用条件であった.しかし,マルチエージェントシステムと見なければならない問題では,その有効性は非常に限定されたものにならざるを得ない.そのため,強化学習から見た問題のマルコフ性を増大させるために,他ロボットの次ステップにおける行動予測を行い,それから自身の行動を決定する枠組みを提案し,計算機実験と実機実験から提案手法の有効性を検証した.また,強化学習が観測する状態を自律的に構築することにより,環境の動特性からくる不完全知覚問題をさける新しい実例に基づく強化学習法を構築し,2台のロボットからなるシステムに適用し,その有効性と提案する強化学習のダイナミクスに関して解析した. 第2年目では,前年を引き継ぐ研究をさらに進めるとともに,後者のアプローチである通信機構をように組み込んだ制御機構に関しても取り扱う予定である.
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[Publications] 大倉和博: "均質な自律ロボット群による協調行動獲得問題:機能分化に基づくアプローチ"システム制御情報学会論文誌. (印刷中). (2002)
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[Publications] Kazuaki Yamada: "Reinforcement Learning Control of Cooperative Arm Robots"ANNIE-Artificial Neural Networks in Engineering, ASME Press. Vol.11. 503-508 (2001)