2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750237
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 健二 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70323061)
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Keywords | 直交磁心 / 可変インダクタ / 電気機器 / 潮流制御 / 電力系統 |
Research Abstract |
平成14年度においては,まず直列補償型潮流制御器の試作を行った。本研究で提案する直列補償型潮流制御器は直交磁心型可変インダクタとコンデンサを並列に接続して構成される。これを系統に直列に挿入し,直交磁心の実効的なインダクタンスを調整すれば,系統の線路インピーダンスが変化し,系統を流れる電力の大きさと向きを制御することができる。上記のシステムを構成し,実験を行ったところ直交磁心の実効的なインダクタンスを調整することで,容易に電力の大きさと向きを制御可能であることが確かめられた。 一方,一般に直交磁心型三相可変インダクタを系統に適用する際には,非線形磁気特性に起因する第3調波電流を還流させるため主巻線は三相デルタ結線されるが,この潮流制御器では直交磁心の主巻線は系統に直列に接続されるため,三相デルタ結線することができず,そのため第3調波電流が系統に流れ込んでしまう問題が生じる。これに対して,筆者は直交磁心の制御電源用巻線に用いられている三次巻線を三相デルタ結線することで,第3調波電流の低減が可能であるか検討を行った。その結果,低減率は三次巻線の巻線抵抗と系統の線路のインピーダンスの比で決まること,一般に巻線抵抗は線路インピーダンスに比べて十分小さいことから第3調波電流は実用上問題の無いレベルまで低減可能であることを明らかにした。また,三次巻線に吸収された第3調波電流は整流され,制御巻線の直流励磁用電流として用いられるため,効率の低下もほとんど無いと考えられる。 上記の考えに基づいた潮流制御器を構成し実験を行ったところ,出力電流波形がほぼ正弦波で,良好な制御特性を有することが明らかになった。 以上により,直交磁心を用いた潮流制御器に関する研究はほぼ所期の目的を達成できたものと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 中村健二, 赤塚重昭, 大日向敬, 川上峰夫, 前田満, 佐藤博道, 一ノ倉理: "直交磁心型移相器の動作解析"日本応用磁気学会誌. 26・3. 143-146 (2002)
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[Publications] 中村健二, 赤塚重昭, 大日向敬, 葵木智之, 前田満, 佐藤博道, 一ノ倉理: "磁束制御型変圧器の特性算定"日本応用磁気学会誌. 26・4. 572-575 (2002)
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[Publications] 藤田慎也, 中村健二, 前田満, 佐藤博道, 一ノ倉理: "EMTPを用いた直交磁心形SVCの解析"日本応用磁気学会誌. 26・4. 576-579 (2002)