2001 Fiscal Year Annual Research Report
環境低負荷型材料・製造プロセスによるエネルギーデバイス技術の確立
Project/Area Number |
13750258
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
飯田 努 東京理科大学, 基礎工学部・材料工学科, 講師 (20297625)
|
Keywords | シリコンゲルマニウム / 環境低負荷型プロセス / 全率固溶 / 垂直ブリッジマン法 / 撥液性 / 均一組成 |
Research Abstract |
全率固溶の性質を有するSi_<1-X>Ge_Xにおいて、高効率光-電気変換効率に不可欠なオージェジェネレーションを実現するために、組成比Si_<0.4>Ge_<0.6>の均一な組成を垂直ブリッジマン法により得るための育成条件を探索した。 また、任意形状結晶育成法でSi_<1-X>Ge_Xを扱う場合の再現性を確保するために、融液とアンプル材の間の撥液化条件を抽出した。 撥液条件の探索、および試料作製 -結晶育成に先立ち、400℃〜800℃の温度範囲、2〜8時間の処理時間でSiCl_4による融液-石英アンプル間の撥液性を調べた。400℃〜500℃の範囲ではSiCl_4の脱水反応が十分におこらず、また、700℃以上の範囲では処理時間の長短に関わらず、脱水・分解反応が生じ固着の原因となることが判明した。最適なSiCl_4処理条件は、600℃で6時間の処理時間であることが分かった。 -結晶成長法として高い品質の結晶育成が期待できる垂直ブリッジマン(VB)法によりGe-rich組成の原料を降温し結晶を析出させる方法を採用した。VB法では原理的に全率固溶の性質を有するSi_<1-X>Ge_Xの均一組成結晶を得ることは一般には難しいが、当該研究では、育成環境の中で、融液の存在する空間を意図的に狭め、原料融液の対流を抑えることで拡散支配による原料元素の移動状態をつくりだした。これにより、育成した試料では、試料先端から中端部でSi_<0.15>Ge_<0.85>の均一組成を得ることに成功した。 総括 -SiCl_4処理よる融液-石英アンプル間の撥液化条件が得られ、再現性が認められた。内径を細め、狭空間化したアンプルにおいて均一組成領域が従来の3倍にあたる長さで確認された。
|