2002 Fiscal Year Annual Research Report
環境低負荷型材料・製造プロセスによるエネルギーデバイス技術の確立
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13750258
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
飯田 努 東京理科大学, 基礎工学部・材料工学科, 講師 (20297625)
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Keywords | シリコンゲルマニウム / 環境低負荷型プロセス / 全率固溶 / 垂直ブリッジマン法 / 撥液性 / 均一組成 |
Research Abstract |
全率固溶の性質を有するSi_<1-x>Ge_xにおいて、高効率光-電気変換効率に不可欠なオージェジェネレーションを実現するために、組成比.Si_<0.4>、Ge_<0.6>の均一な組成を垂直ブリッジマン法により得るための育成条件を探索した。 前年度までに確立した、任意形状結晶育成法でSi_<1-x>Ge_xを扱う場合に不可欠な融液とアンプル材の間の撥液化条件を用い、再現性を有する均一組成の試料作製に必要な育成条件の抽出を目標とした。 均一組威を有する多結晶Si_<1-x>Ge_x試料の作製 -結晶成長法として高い品質の結晶育成が期待できる垂直ブリッジマン(VB)法では原理的に全率固溶の性質を有するSi_<1-x>Ge_xの均一組成結晶を得ることは一般には難しいが、当該研究では、育成環境の中で、融液の存在する空間、すなわち育成アンプル内径を12mmから5mmへ意図的に狭め、原料融液の対流を抑えることで拡散支配による原料元素の移動状態をつくりだした。これにより、育成した試料では、試料先端から中端部でSi_<1-x>Ge_x(x=0.75〜0.95)において均一組成を得ることに成功し、複数回の再現を得た。 -育成アンプル内径を3mm、2mmに細めていくと、5mm同様の均一組成化の傾向が得られたが、融液とアンプル材とで固着が発生し、撥液化条件の最適化を行う必要のあることがわかった。 -育成アンプル内径を細くして育成した多結晶試料の光学的特性は、12mmで作製した試料と遜色なく、バンドギャップ値も理論値によい一致を見ている。また、固着のない試料では、細アンプル化による応力増加の影響は現れていない。 総括 -育成アンプル内径を細め、狭空間化したアンプルにおいて均一組成領域の作製を検討した。組成値を制御するには至っていないが、(x=0.75〜0.95)において再現よく均一組成を得ることに成功した。
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