2002 Fiscal Year Annual Research Report
走査型プローブ顕微鏡を用いた有機ナノトランジスタの作製と評価
Project/Area Number |
13750266
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中村 雅一 千葉大学, 工学部, 助教授 (80332568)
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Keywords | 有機トランジスタ / 原子間力顕微鏡 / ナノ構造 / 有機半導体 / 銅フタロシアニン / ペンタセン / 金属 / 有機半導体界面 |
Research Abstract |
本研究では、ナノメートルスケールの有機トランジスタに関する基礎的な知見を得るため、導電性AFM探針を用いて有機薄膜の局所電気物性の評価や試作トランジスタの動作特性等を調べることを目的としている。 まず、導電性探針および高感度AFM電流像測定を行うための装置改良を行った。これを用いて、マイカ上およびSiO_2上に成長させた針状結晶について結晶の厚みと導電率の関係を調べた結果、薄くなるほど導電率が高く、また、SiO_2上のほうがその傾向がより顕著であることが見いだされた。これは、基板表面によるキャリアドーピングが起こっていることを示唆するものであり、有機半導体ナノ構造の電子応用に関する重要な知見である。 さらに、探針を特定の位置に固定してトランジスタ特性を測定できる3端子測定系(AFM-FET)の最適化を行い、探針をキャリア注入(ソース)電極とするナノスケールの電界効果トランジスタ測定を行った。これを用いたSiO_2上のCuPc結晶粒に対するAFM-FET測定から、CuPc単結晶粒では電界効果移動度が約10^<-2>cm^2/Vsと多結晶薄膜のものより2〜3桁高くなることを実証した。高移動度材料としてよく知られているペンタセンについても同様の測定を行ったところ、トラップへの充電電流と考えられる電流成分が大部分を占めるという結果となった。そこで、構造と物性の対応を知るための基礎実験として、分子線蒸着法によって成長条件による結晶型、結晶粒形、粒径の相図を得る実験を行い、通常のFET測定および25μm間隔のマイクロ4探針FET測定からキャリア輸送の阻害要因の候補を明らかにした。 また、微細孔を多数有するAl膜をCuPc膜で挟んだ積層構造に対して、縦型のAFM-FET測定を行い、素子構造の最適化によって10^3程度の電流on/off比を示す100nmサイズのトランジスタが出来ることを明らかにした。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] M.Nakamura, M.Iizuka, K.Kudo, K.Tanaka: "Local Area Characterization of Evaporated TTF-TCNQ Complex Films with Scanning Tunneling Spectroscopy"IEICE Trans. Electron.. E85-C (6). 1323-1327 (2002)
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[Publications] M.Nakamura他: "Development of AFM Potentiometry for Potential Mapping of Organic Conductors"Synthetic Metals. (掲載予定). (2003)
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[Publications] M.Nakamura他: "Influence of Substrate on In-Plane Electrical Conduction of CuPc Nano-Crystals"Mat. Res. Soc. Symp. Proc.. (掲載予定). (2003)
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[Publications] M.Nakamura他: "Characterization of Organic Nano-Transistors Using Conductive AFM Probe"Thin Solid Films. (掲載予定). (2003)
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[Publications] M.Nakamura他: "AFM Study of Discrete Surface Functional Group Fabricated by Langmuir-Blodgett Technique"Trans. Mat. Res. Soc. Jpn.. (掲載予定). (2003)
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[Publications] 村石典生, 中村雅一, 飯塚正明, 工藤一浩, 田中國昭: "導電性AFM探針を用いた有機ナノSITの作製"電子情報通信学会技術報告. OME2002-15. 13-17 (2002)
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[Publications] 中村雅一, 工藤一浩: "AFMポテンショメトリとマイクロ4探針による有機材料の局所導電率評価"応用物理学会M&BE誌. 13(3). 139-140 (2002)
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[Publications] 村石典生, 中村雅一, 飯塚正明, 工藤一浩, 田中國昭: "有機ナノSIT:ゲート構造の作製と導電性AFM探針を用いた特性評価"第63回応用物理学会学術講演会. '02秋3. 1094 (2002)
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[Publications] 柳沢啓友, 中村雅一, 飯塚正明, 工藤一浩: "導電性AFM探針を用いた有機ナノ結晶のトランジスター特性評価"第63回応用物理学会学術講演会. '02秋3. 1094 (2002)
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[Publications] 渡邊昌敏, 近藤晶子, 中村雅一, 飯塚正明, 工藤一浩: "銅フタロシアニン超薄膜の面内電気伝導に及ぼす基板の影響(2)"第63回応用物理学会学術講演会. '02秋3. 1087 (2002)
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[Publications] 中村雅一, 工藤一浩: "SPMを用いた有機導電性薄膜のナノスケール電気評価"学術創生研究「有機デバイス関連界面の解明と制御」第一回公開シンポジウム. 10 (2003)
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[Publications] 村石典生, 中村雅一, 飯塚正明, 工藤一浩: "有機ナノSIT(2):ゲート電極作製プロセスの最適化"第50回応用物理学関係連合講演会. '03春3. 1349 (2003)
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[Publications] 柳沢啓友, 玉置剛士, 中村雅一, 飯塚正明, 工藤一浩: "マイクロ4探針FET測定による有機薄膜の電気物性評価"第50回応用物理学関係連合講演会. '03春3. 1324 (2003)
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[Publications] 柳沢啓友, 玉置剛士, 中村雅一, 飯塚正明, 工藤一浩: "SiO_2上ペンタセン分子線蒸着膜の構造および電気特性評価"第50回応用物理学関係連合講演会. '03春3. 1324 (2003)