2001 Fiscal Year Annual Research Report
極端紫外光によるアモルファス半導体光誘起現象のサイズ効果の研究
Project/Area Number |
13750269
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
林 浩司 岐阜大学, 工学部, 助教授 (00238106)
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Keywords | アモルファス半導体 / 極端紫外光 / 光誘起現象 / 光熱変換分光法 / サイズ効果 / カルコゲナイドガラス / 光黒化現象 / 光音響分光法 |
Research Abstract |
アモルファス半導体は、実に様々な光誘起現象を引き起こし、光に対して非常に敏感な材料である。なかでも安価で高い効率を持ち、かつ大面積化が容易であるというメリットを持つアモルファス太陽電池が注目を浴びているが、アモルファス半導体に共通な光誘起現象である光劣化の問題が実用化への信頼性を損なう大きな要因となっている。もしも光誘起現象のメカニズムが解明でき、それを制御することができるようになれば、この材料は、太陽電池をはじめとする光デバイスに応用することができるとして大いに期待できる材料である。本研究では、様々な光誘起現象の中でも光照射によるエネルギーバンド構造の変化に的を絞り、そのサイズ効果を研究することで、その現象のメカニズム解明の糸口をつかむことを目的としている。 本研究では、アモルファス半導体の光誘起現象における結晶サイズ効果について研究する。評価には、真空蒸着法を用いて作製したカルコゲナイド系アモルファス半導体薄膜を用いた。結晶サイズの三次元的な制御は難しいので、その取りかかりとして一次元方向のサイズの制御、すなわち薄膜における膜厚を制御して、光照射によるエネルギーバンド構造変化の膜厚依存性について評価した。本年度の段階で得られた成果としては、光学バンドギャップ付近のエネルギーバンド構造変化の膜厚依存性を調べ、その結果、光照射による光学バンドギャップの変化が、ある臨界膜厚を境に急激に変化することを明らかにした。また、その変化の原因が、光照射前の構造あるいは状態の変化に起因している可能性が高いということも同時に明らかにした。現在、さらにこの可能性について明らかにすべく新たな実験を試みているところである。
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