2001 Fiscal Year Annual Research Report
携帯情報端用高性能薄膜ELデバイスのゾル・ゲル法による作製
Project/Area Number |
13750316
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮田 俊弘 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (30257448)
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Keywords | ゾルーゲル法 / 酸化物蛍光体薄膜 / BaTiO_3セラミックシート / ELデバイス / 大面積 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究計画に基づき、研究を実施した。 1)蛍光体原材料を有機溶剤に溶かした溶液を出発原料としてゾルーゲル法を用いで50mm×20mm基板(BaTiO_3セラミックシート)上に酸化物蛍光体薄膜及び金属酸化物透明導電膜を安価に形成する技術を立てる。上記計画に対しては、本年度計画を上回る50mm×50mm基板上への酸化物蛍光体薄膜及び金属酸化物透明導電膜の形成技術を確立できた。 2)形成した薄膜の特性改善を目的として、申請設備の雰囲気制御系電気炉を用いて酸化物蛍光体薄膜では硫黄雰囲気もしくは減圧酸素雰囲気中で金属酸化透明導電膜ではアルゴン雰囲気中もしくは水素雰囲気中でのアニール処理技術を確立する。上記計画に対しては、大面積基板上でも均一な熱処理を実現するために、大面積熱処理用治具を作製して確立できた。 3)平行して、上述の薄膜形成技術を使って50mm×20mmラミック基板上にZnGa_2O_4:Mn薄膜蛍光体と各種粉末蛍光体からなるハイブリッド発光層を沈殿法を用いて形成する技術を確立する。作製した発光層をPLで評価すると共に、ハイブリッド形ELデバイスを作製してEL特性を評価する。また、使用する粉末蛍光体と薄膜蛍光体との材料組成的な相性を調べ、最適な組み合わせを使った多色発光ハイブリッド形ELデバイスを開発する。 4)さらに並行して、現有のドクターブレード装置を用いて、大面積(100mm×50mm)で、比誘電率4000以上で、研磨なしでも使用可能な表面状態を有し、0.1mm〜0.4mmの厚さを±0.05mmの精度で制御した高純度BaTiO_3セラミックシートの作製技術の確立を進める。それと同時に、セラミックの誘電的特性と作製条件との関係を明らかにし、光・電気情報処理デバイスに最適な誘電的特性を有するセラミックシートの作製技術を確立する。上記計画(3)及び(4)に対しては、特性評価結果をフィードバックして、多色発光ハイブリッド形ELデバイスを試作し、単一層デバイスを上回るEL特性を実現できた。以上の結果より、本年度の研究目標は十分に達成できた。
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